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了承 ページ10

「ご、ごめん…。少し話したい事があるから…いい?」

「なあに?こくはくなら、ぜんぜんオーケーだよ。さあ、なんなりと ごたんのうあれ」

「違うッ!そういう意味での呼び出しじゃないの!」



両手を広げて敦が胸の中に飛び込んで来るのかと待っていたが思い切り否定されたので唇を尖らせるA。



「話って言うのが……鏡花ちゃんの事」

「………あのヒト?」



鏡花の話題が出ると目を細めて腕を組み、明らかな嫌悪を含んだ声を敦に向けて放った。



「うちに、置いてもいい?」



少し目の端がピクリと動き、少しの間なにも言わない状態が続いた後彼女は口を開いてこう言った。



「……にぃにがいうんだったら、べつにいい。そもそもたすけたのは にぃにだし、わたしはカンケーない。だからにぃにが わたしにかくにんを とるひつようも ひつぜんてきに ない」

「!じゃあ…」



パッと目を輝かせ了承を得たのかと思いきや、次に彼女はこんな事を言ってきた。



「だけど、あのヒトはマフィアでしょ」



それを聞いて敦は口を噤んだ。



それもその筈、敦は懸賞金で狙われ数々の襲撃によって足を奪われたり胸を貫かれたり等、酷い目に遭ってきたのだ。



国木田から耳にした程度の情報でしか無かったのだが、彼女が鏡花を嫌っているのはマフィアだからという理由だと悟った。



「慥かにそうだけど…。ねえ、聞いて欲しい。鏡花ちゃんは孤児だったんだ。彼女の異能力は殺戮に特化した異能で、それを見てマフィアに拾われたんだ」



彼女は口を挟まず、敦の言葉に耳を傾けた。



「マフィアに異能力を良い様に使われて、彼女自身が意に沿わない使い方を強要されたんだ。……電車での出来事、覚えてる?」

「……アホなマフィアがばくだんをしかけたとき?」

「うん。その時ね…あの子の身体にはその爆弾が巻かれていて、解除装置はあったけど結局芥川の良い様に利用されて命を落とす所だった。その間際に彼女は自分から落ちたんだ」



彼女は涙を流しながらこう言った。



『もうこれ以上、一人だって殺したくない!』



その決意は紛れもなく彼女自身の本心であった。



しかしそれを聞いても尚、Aの目が揺らぐ事は無かった。



「……だから?」

「えっ…」

「あのヒトと いっしょにすむことのりゆうと なにがカンケーあるの?」

「……其れを支えたい。未だ僕は未熟だけど…彼女の意志を尊重したい」



そう言って頭を下げたのだった。

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ほんばし(プロフ) - エレンNo2さん» コメントありがとうございます。面白いと言ってくださり、ありがとうございます。自己満足で書いている作品ではありますが、そう言ってもらえるととても嬉しいです。ありがとうございます! (2023年1月11日 17時) (レス) id: cf71fd7287 (このIDを非表示/違反報告)
エレンNo2 - 僕…文豪ストレイドッグス大好きなんですけど、すっごいおもしろかったです! (2023年1月11日 16時) (レス) @page2 id: 84c79903b2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほんばし | 作成日時:2020年1月14日 21時

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