太宰に物申す ページ3
国木田から言われた事についての真偽を明かそうと彼女が真っ先に向かったのは太宰の部屋。
もう夕暮れ時だが明かりはついておらず、見た目からして無人にも思える部屋だが彼女はインターホンを押した。
ピンポーン…。
バタバタ、ガチャ。
「はぁ〜い。どちら様ぁ〜?」
「いたよ」
居留守を使うと思っていたが本人が素直に出てきた事に幸運と感じた彼女は腰に手を当てた。
「あれ?Aちゃんじゃないか。こんな時間に如何したんだい?」
「うわ、さけくさい。おまけにいそくさい」
「上司に向かって随分な言い様だね。だけど、その顔は何か別の案件で来たんじゃないかい?」
「わかってるなら、おしえてください」
「まあ、立ち話もなんだし上りなよ」
「……おじゃまします」
先日に太宰の部屋の汚さを痛感していたので一瞬、嫌そうな顔をしたが思惑を聞いたら直ぐに帰る予定なので此処は妥協した。
「さあ、座り給え。何が聞きたい?」
「クニキダさんに、コイナカをつれてきたら たんていしゃを かいして しょうかいしろと いわれましたけど、なんでですか?」
「おや国木田君から聞いたのかい。簡単な事だ。君が男性に対して節操も無ければ警戒心も無いからだ」
「あるよぉ…!」
頬を膨らませる彼女に問い詰める太宰。
「ほう?ならば聴こうか。例えば知らない人から突然、名前で呼ばれても警戒心が無いと言い切れるのかい?」
「そりゃあ……。それぐらい、ケーカイシンもちますよ」
「それが面識の無い外国人観光客から言われたとしても?」
「……ん?がいこくじんの かんこうきゃく…?どうしてダザイさんがしってるの…?」
太宰は頬杖を突いて此方を警戒しているのか、微笑んではいるが目が笑っていなかった。
「はあ……。絶望的じゃないか」
瞬間に判った、微笑んだ儘目が笑っていないのが。
それも敵に向ける殺気を出しながら此方を警戒しているのだと直ぐに気付いて、直ぐに身体中を弄った。
「全然違う。正解は此処」
そう言って太宰は彼女のスカートのポケットから携帯を取り出した。
「け、ケータイに…!?」
「その通り。ああ、君のケータイにしか内蔵してないから大丈夫だよ」
「なんのだいじょうぶ…?じゃあ、わるぐちとか ぜんぶきかれてたのか…」
「それよりも、覚悟すべき事があるんじゃない?」
太宰は溜息を吐いて彼女の顎を掴んだ。
「さあ、此処からは大人の時間だね」
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ほんばし(プロフ) - エレンNo2さん» コメントありがとうございます。面白いと言ってくださり、ありがとうございます。自己満足で書いている作品ではありますが、そう言ってもらえるととても嬉しいです。ありがとうございます! (2023年1月11日 17時) (レス) id: cf71fd7287 (このIDを非表示/違反報告)
エレンNo2 - 僕…文豪ストレイドッグス大好きなんですけど、すっごいおもしろかったです! (2023年1月11日 16時) (レス) @page2 id: 84c79903b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほんばし | 作成日時:2020年1月14日 21時