事件 二 ページ34
「直ぐに周辺を確認しろ！」
目暮の指示に、数名の鑑識官が一斉に動き始める。迅速に、それでいて精確に。彼らの理念を思い起こさせるようなきびきびとした動きは、呼びかけなどよりもいっそ効果的に、参加者たちの心を落ち着けた。
「……で。状況を説明してくれんかね、毛利くん。」
そうして、目暮は傍らに立つ小五郎に尋ねる。いつも通りの捜査協力である……が、その小五郎はというと、些か困ったように頭を掻いた。
「それが、私も詳しいことは分からんのです。澤田さんが、挨拶の途中で倒れたとしか。私よりも、安室くんの方が知ってることは多いかもしれませんな。」
「ああ、毛利くんの弟子の……。その格好は、ウエイターですかな？」
「はい。実は偶然、友人に頼まれてこのパーティーのウエイターを務めておりまして。」
爽やかな笑みを浮かべる安室の、その探偵としての優秀さは、当然目暮も知るところなのだろう。特に気にしたり訝しんだりする事もなく、「それでは、」と安室に言う。
「澤田さんの様子についてお聞きしても？」
「ええ、僕の知る限りでよろしければ。」
それから、安室はかなり丁寧に説明して行った。ホールに戻ってきた澤田さんが、どの辺りで秘書と話していて、どう通ってステージの方へ向かったか。そして、挨拶中の様子についても。
「正直、不審な点は見られませんでした。普段の澤田さんの何ら変わりはありませんでしたし、取り繕っている様でもなかったように思います。」
そう言って、安室は言葉を締めた。
「……澤田さんは、しばらくホールにいらっしゃらなかったのですな？」
「それは間違いありません、警部殿。私も挨拶のために澤田さんを探していたのですが、澤田さんが壇上に上がられるまでは、確かにいらっしゃいませんでした。」
小五郎が断言すると、目暮は、コナンもよく見知った二人の若い刑事ーー高木と千葉を呼んだ。
「高木くんは監視カメラの映像を確認、それから千葉くんは、参加者の皆さんを別室に移動させておいてくれ。」
目暮の端的な指示に、二人は了承の意を示してそれぞれ動き出す。
「……監視カメラは、もしかしたら無駄かもしれません。」
千葉が誘導をかけるのを見つつ、やや戸惑いがちに安室が口を開いた。
「無駄？ それは、どういうーー」
「ちょ、アンタ！！」
目暮の疑問を遮って、誰かの声が響いた。
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美園(プロフ) - 今日はじめて見ましたがとても惹き込まれました！ (12月24日 19時) (
レス) id: 69d991c9f1 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 大好きな作品です…！ (6月29日 17時) (レス) @page1 id: 7b1be7f011 (このIDを非表示/違反報告)
むる - え！？！？！？！更新なくて残念です泣泣泣めっっっちゃくちゃ気になります………すごく読みやすくて設定も凝っててめちゃめちゃ良かったです。 (2022年8月14日 2時) (レス) id: 6ed738b467 (このIDを非表示/違反報告)
ししゃも(プロフ) - 続きが凄く読みたいです。更新お願いします! (2022年7月27日 8時) (レス) @page43 id: 4d9c9f1a17 (このIDを非表示/違反報告)
舞琴(プロフ) - めちゃ続きが読みたいですっ！！！！更新待ってます！！！！！！ (2022年4月23日 23時) (レス) id: 6e4f314873 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菫色 | 作成日時：2018年4月29日 20時
