story8 ページ8
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わたしは幼い頃からよく感情が読めない子だと言われることがあった。
わたし自身、嬉しいとか悲しいとかハッキリとした感情はあるけれどみんなにはそれが伝わらないらしい。
だからよく親にも可愛げがないと言われた。
わたしの母親は子供よりも男を優先するクズだった。
水商売をしていたから家に帰ってくるのは朝方。
それもたまに。
きっと男たちの家をほっつき歩いてたんだろう。
母親はたまに帰ってきても1万円だけ置いて今月はこれで何とかして、それしか言わなかった。
遊びに出かけたことも無い。
料理を作ってもらったことも一緒にお風呂に入ったことも記憶にはない。
我ながら残酷な毎日だったと思う。
子供だから辛いという感情はあまり無かったけど。
そんなある日。
わたしが5歳になってすぐの時だった。
“声、絶対に出さないで”
押し入れへと引きずられたわたしは髪を掴まれてそれだけ一言言われ、閉じ込められた。
間もなくして男が入ってくる声が聞こえて、わたしはただじっと息を殺して耳をそばだでた。
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作者名:Sheee | 作成日時:2021年9月18日 19時