20話 ページ22
「な、何を…」
「この子はわたしが育てます。あなたたちにわたしはしない」
三代目火影は頑ななAの頭を撫でた。
「A、お主はまだ若い…ひとりで面倒を見きれるわけがないだろう。大丈夫、ちゃんとわしらが育てる、何も心配はいらぬ」
「誤魔化すのはやめてください。
わかっています、この場にいる全員がこの子に宿る九尾を憎み、恐れていることは。
その気持ちはやがてこの子に向くでしょう。私の大切な両親の忘れ形見に、そんなことはさせない」
強い意志を込めた言葉に、三代目すらも何も言えなくなってしまった。
みんなが子供とは思えない様子に圧倒される中、Aは続けた。
「この子は人殺しじゃない。他の国との関係を保つ武器でもない。誰にも利用させはしない。
……この子は私の弟。うずまきナルトです。傷つけるなら許さない」
三代目はこの少女は悲しいほどに賢いなと思った。
普通の子供ならば、そんなことまで頭が回らないだろう…
ただえさえ、愛する両親を失ったばかりで、これから先どうなるかすらわからない身の上で、真っ直ぐに先を見据えている。
しかし、里の人たちはAの言葉に激しく動揺した。
「子供が子供を育てるって！？信じられない」
「無理よ、絶対に問題を起こすに決まってる！」
「また人が死ぬわ！」
最初は不安の声が、それがだんだんと罵詈雑言へと変わっていった。
三代目はどうにか止めようと「やめないか！」と叫ぶが、騒ぎ出した人の群れには届かない。
その時、Aは凛とした声で叫んだ。
「それなら！！！
すべての責任は私が取る！！ナルトがあなた達の言うような問題を起こしたなら、その時には！！
私を殺してくれて構わない！！」
幼い少女がそこまで言って、これ以上の文句を言える人は誰一人いなかった。
「……わかった。そこまで言うなら許そう。
じゃが、術が問題なくかかっているか確かめねばならぬ。二日ほどナルトを預けてほしい」
「絶対に三代目様がそばを離れないと誓うなら」
「誓おう」
そうして、Aはナルトにキスを落とし、三代目に渡した。
スヤスヤと眠っていたナルトは一瞬顔を歪めたが、Aが頭を撫でると、すぐにまた穏やかな表情で眠り出した。
Aはそれを確認すると、ゆっくりと歩き出した。
人々は黙り込んで、静かに道を開けた。
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紗菜 - 続き、待ってます。 (2022年12月13日 23時) (
レス) id: c2a2213ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ﾜｽ - 応援してます(˘ω˘ ) (2022年2月7日 9時) (レス) @page47 id: f51baff03e (このIDを非表示/違反報告)
がー(プロフ) - もう大好きです！絶対続編読みたいです！もうやばいで大好きいいいいいいい！！！ (2019年9月26日 0時) (レス) id: 8eb0f6b23c (このIDを非表示/違反報告)
センカ(プロフ) - 心さん» コメントありがとうございます！おもしろいと言っていただけて本当に嬉しいです！とてもやる気が湧いてきました！ (2019年6月14日 19時) (レス) id: f204811481 (このIDを非表示/違反報告)
心(プロフ) - 初コメ失礼します。とても面白いです。更新頑張ってください！ (2019年6月13日 7時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：センカ | 作成日時：2018年10月21日 18時
