09.無愛想な男/N ページ10
｢ハハッ、ゴメンね？
潤のヤツ、ニノの話したら、どうしても逢いたいって聞かなくてさ｡
そのクセ結構シャイだから、ぶすーってしてて｡
ホントごめんなぁ？｣
｢はぁ………｣
翔さんの隣に立ってる男の子は、
男のオレがいうのもなんだけど、『カッコイイ』って形容がぴったりな
意志の強そうな太い眉と、眼力の強い黒眼が印象的な
ちょうどオレと同い年くらいのヤツ｡
こういう男って、やっぱ女子にモテるんだろうなぁ……
オレは左手を差し出すと、ソイツにニッコリと笑ってみせた｡
｢えーっと、初めまして｡
オレは二宮和也｡
高二だけど…｡
あの…、君も高校生…なのかな…？｣
｢…………｣
クッソ｡
せっかくオレが折れて話しかけてやってんのに、フルシカトってやつですか｡
この差し出した気まずい左手は、どうしてくれんのよ？
こんだけ愛想なく、ぶすーっとした顔してると
『逢いたい』だなんて、『そんなのウソじゃね？』って
翔さんに言ってやりたくなる｡
翔さんはオレの気持ちを察したのか、苦笑交じりに『太眉君』の紹介をした｡
｢この子は松本潤｡
ニノと同じ高校二年生だよ｡
ちょっとワケありの子でね｡
今はおれと生活してる｡
コラ、潤!!
いい加減にしなさい!!
おれはお前を初対面の人に挨拶もできないような子に育てた覚えはないぞ!!
お前が逢いたいって言ったから連れてきてやったんだろ？
ニノに挨拶しなさい!!｣
｢チッ!!!｣
………はい？
『チッ』って？
『チッ』ってなに？
なんでオレがおめぇに舌打ちまでされなきゃなんねぇんだよ!?
｢お前…潤君だっけ？
翔さんの手前おとなしくしてやってたけど、さっきから失礼なんじゃねぇの!?｣
キッて下から睨みつけてやったオレの顎を片手で持つと
潤君は片方の口の端を持ち上げた｡
｢……お前、結構美人だな｡
筋肉もなさそうだし、肉も柔らかそう……｣
｢…は？｣
｢もう、翔さんもさっきからいい加減にしてよ!!
考えてみてよ!!
食糧相手に律儀に挨拶するヤツなんている!?｣
｢はぁ!?お前何言ってんの？
なに訳分かんねぇこと言ってんだよ!!｣
潤君の手を振り払うと、そのまま力任せに組み伏された｡
｢分かってる癖に｡
お前、
今からお前は俺に食われるんだよ｡｣
はい？
あのぉ…、さっきから何が言いたいのか、全然話が見えてこないんですけど｡
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作者名：あさり
作成日時：2014年6月17日 23時
