27話 ページ28
A『ここら辺、父が生きていた頃来たことがあるんですよ。父が仕事をしているときによく探検してたんです』
無「1人でか?」
A『クスクス)ええ』
A『そのときに偶然見つけた私だけの秘密の穴場です。……商店街とかは時が経ってだいぶ変わってしまいましたが……ここはそのままで良かったです』
無「………きれいだな……」
A『ニコッ)でしょう』
こいつといるだけで、今まで何も思ってなかったものが美しく見えるようになった。
………きちんと見るようになった、というのが正しいだろうか。
あの頃も、こうしてこいつに振り回されたんだっけな。
無「………いいな、ここ」
A『はい』
A『気に入りました?』
無「あぁ、気に入った」
無「………また、来ようか」
A『ニコッ)そうですね。夏には蛍が飛んでるんですよ』
無「そうか……楽しみだな」
A『はい』
何かをこんなふうに純粋に楽しみだと思うのも、こいつが初めてだった。
A『今度、鳴女さんも来ませんかね』
無「あいつは、無限城の金目だからな……」
A『皆さん、大変ですね』
無「まあな」
A『私も頑張りますからね』
無「フフッ)できるといいな」
A『余裕かましてる場合じゃないですからね?』
無「期待しておこう」
無、A「クスクス)」
無「……帰るか」
A『はい』
ベベンッ………
琵琶の音とともに無限城へと呼び戻される。
鳴女「おかえりなさいませ。いかがでした?」
A『ニコッ)楽しかったです。鳴女さんにお土産ありますよ』
鳴女「!ありがとうございます」
A『食べ物なので……後で一緒にお茶でもしませんか?』
鳴女「ニコッ)良いですね」
鳴女も随分と仲良くなった。
…………鬼と普通に話しているこの状況………異常なのだろうが、不思議と穏やかな気持ちになる。
…………Aがいるからだろうな。
2人の部屋へと戻り、羽織っていたものを脱ぐ。
思い切って、口を開いだ。
無「……………目、つぶれ」
A『?』
無「早くしろ」
A『?はい』
Aが私にしたように、同じことをする。
大したことではないというのに、ものすごい緊張している。
ポケットからそれを出し、Aの手の上においた。
無「……………開けていいぞ」
A『!……これは………』
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ちびリス - こゆんちゃんさん» 無惨様って…敬語何ですか…? はずかしながら、初めて知りました。すみません!!…このまま、敬語抜きで行くと思います。わざわざ言ってくださったのに、すみません!! (2020年8月14日 15時) (レス) id: 676aa3962f (このIDを非表示/違反報告)
こゆんちゃん - 無惨様が敬語をはずすとお館様感が……、、でも、話はとっても面白いです! (2020年8月12日 12時) (レス) id: dfa1a83f80 (このIDを非表示/違反報告)
ちびリス - コノハさん» こちらこそ、コメントしてくれてありがとうございました! 展開に悩んだりしますが…いい感じに終われるよう、頑張っていきます! (2020年8月11日 12時) (レス) id: 5f26e80ee4 (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 一緒にいられるなら嬉しいです。返事をかいてくれて有難うございました (2020年8月9日 20時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
ちびリス(プロフ) - コノハさん» 納得できなかったら、どんどん言ってください!!! (2020年8月6日 17時) (レス) id: eb5ae9646b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちびリス | 作成日時:2020年7月22日 0時