鬼舞辻無惨の嫁

25話 ページ26

無「まぁ、隠してはないからな」

A『…ﾌﾌｯ)そうですね』

美味しいものをたらふく食べ、2人で夜道を歩いていく。

すると、すぐ近くで子供が泣いている声がした。

A『！ちょっと、行きましょう！』

無「は！？」

なぜ私達が行くんだとでも言わんばかりの顔の無惨さんの手を引き、無理やりその子の所へと連れて行く。

A『どうしたの？』

子供「……お母さんと、はぐれちゃって……」

A『そうなの』

お前もなんか言え、と言う意味を込め無惨さんを軽く叩く。

は！？と言うような……明らかに嫌だと顔に描いてあるが……無視して早くと促す。

無「……………見つかるといいな」

A『ｸｽｯ)馬鹿なんですか』

無「なんだと？」

A『ﾊｧｰ)しっかりしてくださいよ、全く』

無「………………」

いまだにしかめっ面をしている無惨さんの隣で、泣いている子供に手を差し出す。

A『ﾆｺｯ)一緒に探そうか？』

無「は！？」

子供「ありがとう…！！！」

A『ほら、行きますよ？』

無「………面倒くさい」

A『我慢してくださいよ』

右手で子供と手を繋ぎながら、子供がお母さんと居たという店まで歩く。

子供「！！お母さん！！」

母「！！正！！！」

A『…………た………正？』

無「…………」

母「あの！わざわざ、ありがとうございました！！」

A『いえ、大丈夫ですよ』

子供「ありがとう！！！」

A『ﾆｺｯ)うん、もうはぐれないようにね』

子供「お兄さんも、ありがとう！！」

無「！？………あぁ。………気をつけろよ」

子供「うん！！」

母「ありがとうございました！！」









A『ｸｽｸｽ)元同じ名前でしたね』

無「驚いたが……お前は笑いすぎだ」

A『ﾌﾌｯ)すみません』

A『……どうでした？』

無「？何がだ」

A『人助けをして』

無「…………お前がいるなら悪くない」

A『ﾌﾌｯ)そう言ってもらえるのは嬉しいですけど……1人の時もやってくださいよ？私にだってよく助けてくれたではありませんか』

無「……お前は別だ」

A『……自惚れますよ』

無「夫婦だろ」

A『ﾌﾌｯ)そうですね』

A『……でも……思ったよりも嫌じゃなさそうで嬉しいです』

無「……良いとは言ってない」

A『ｸｽｸｽ)素直じゃないですね』

無「お前といなけりゃ殺してたかもしれん」

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