アイを伝えたい

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こうして付き合ってから8年が経った。


今でも 2人の間の会話は" 手話 " が基本。



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… だけど、








「 誕生日おめでとう 」

「 僕と、付き合ってください 」

「 結婚しよう 」





何故か望は、出会った時から

特別な日の特別な言葉だけは
手話も筆談も使わず、

自分の声で発するのだった。



… しかも、完璧に近い発音で。






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いつか、

「 俺、Aちゃんよりも多く望に告白されたわ〜〜(笑) 」

と、望の双子の兄の流星くんが言っていた。

いつも彼の練習に付き合ってあげていたらしい。
… 何日も、何十回も。








そこまでして彼が" 口語 " にこだわるのは何故なのか、
聞くタイミングがわからなかった。





サプライズ好きの彼だから
私をびっくりさせたいのだろう、



この時までそんな風にしか思ってなかった。






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「 … ぅすめさん 」

「 " むすめさん" 、ね？ … む！ 」



「 ぬ？ 」

「 惜しい… む！ 」







そして今日も、

私の両親を前に彼はこう口にする。









" 娘さんを、僕にください。 "

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