アイを伝えたい

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「 … うん、やっぱりAやね 」


あの日と同じように、頬を両手で挟まれた。






… あの時と違うのは、

黒縁眼鏡をかけた彼の目が、しっかりとわたしを捉えていること。






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「 … ほんとに、ほんとに淳太くん？ 」



「 おん、… 待たせてごめんな 」





見えるようになるということは、
彼のそれまでの生活を大きく変えてしまい

慣れるまで相当苦労した、と言っていた。









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「 黄色、すごい優しくて暖かい色やね、
Aの言うた通りやった。 」



淳太くんは、腕についたミサンガを眺めながら言った。









「 桜も、紅葉もはじめて見るはずやのに
凄い懐かしく感じんねん。

… Aが、俺にたくさん色を教えてくれたからやって気付いてん 」








「 … やからそれを見る度に、Aに会いたくなった 」




「 あっちでも日本でも、出会いはいっぱいあったけど
… 忘れられへんかった、お前のこと 」









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「 好き、や 」







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「 … 私も、ずっと忘れられなかった。

…好きです 」








今度は、二人で色を感じよう。

… 言えなかった分の、ありったけの「 好き 」を伝えよう









「 きいろ ( J.Nakama ) 」 Fin.

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