外出 ページ25
場所は移り、いまは松田に連れられて件のバイクショップに来ていた。
「はぁ?なんで教えられねぇんだよ!?
そのゴブレットの刺青野郎はこの店の常連なんだろ?」
「だから何でその人を捜しているんスか?」
店員は松田に詰め寄られ、あわあわとしている。
ヒロの捜し人が、ひょっとしたらこのバイク店に来ているかもしれない、そういう話でここへは来ていた。
「おい諸伏、言ってやれ!その男を捜してるワケってやつを!!」
松田にそう促されるが、どうもヒロの様子がおかしい。
「そ、それは………」
「……ヒロ?大丈夫か?
顔色悪いぞ………」
血の気が引いて少し白くなった顔で、小さく震えるその様子が、なにか怖いものを思い出しているような、そんな感じだった。
「ウチとしてもねぇ、理由も無しにお客さんの個人情報を教えるわけには……」
「だーかーら!その訳ってヤツを忘れちまったっつってんだよ!!教えねえと
「松田、一旦その辺で……」
痺れを切らした様子の松田を一旦落ち着かせる。
ヒロもあの感じだと、今日はなんの進展もないだろう。
「あー!思い出した…」
「え?お前が?」
「何か知ってるのか?」
声を上げた萩原は、「いやいや、諸伏ちゃんの事じゃないよ」と続けた。
「ほら、道場で班長が言ってただろ?親父がどうのこうのって…
俺、子供の頃見た事あるなぁと思ってたんだよ、班長によく似たマユゲのオッサンがコンビニでヤクザ風の男にボコられてるの……
あれ、やっぱ班長の親父さんだったんじゃ……」
「その話……もっと詳しく聞かせろ!」
−−−−
萩原によって話された班長の父の真実というものは、案外単純で、腑に落ちるものだった。
「確かに…そんな事があったんなら、伊達班長が親父さんの事を腰抜けだと思っちまうのも無理ねぇな」
「ああ…現職の警察官が犯罪者に土下座だからねぇ……」
班長にとって、大きな重しとなる出来事。
きっと、それほど父親のことを尊敬していたんだろう。
でもその行動は、周りの人を思っての行動であったし、あとは怪我さえ負わなければ、きっと班長でも称賛することだと思う。
(自分の命を盾にすることは、愚かなことでも、効果は絶大……だったかな)
そんな事を思い出しながら、ふと、目に入った光を無意識に追いかけた。
………あの、光って
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しゃ〜け(プロフ) - 早桃さん» 早桃さん、コメントありがとうございます〜!!!面白行っていただけてもうめちゃくちゃ嬉しいです!!頑張って更新していくので、今後も是非よろしくお願いします〜!! (2022年12月27日 1時) (レス) id: 8454d3df8d (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - すっごい好きな作品です!面白い!これからも無理せずに更新頑張って下さいね!応援してますぅぅぅ! (2022年12月26日 12時) (レス) @page37 id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃ〜け | 作成日時:2022年12月19日 2時