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忠告のつもりだったのか懺悔のつもりだったのか、転弧は自分でもどうしてそんな事を言ってしまったのか分からなかった。
言った直後、もしもこれでAが怯えて自分の元を去ってしまったらどうしようと後悔した。
今日まで転弧がいくら人混みの中を歩いても、誰一人として声をかけてはくれなかった。
彼女はそんな転弧にようやく手を差し伸べてくれた初めての人だ。
この人を逃せば、もう誰も自分の側には来てくれないかもしれない。
けれどそんな焦りが込み上げてくる最中、Aは動じる様子もなく「個性が暴走したんだね」とただ一言そう返してきた。
転弧は信じられないものを見る目で少女を見た。
「最初は……最初は、暴走だった。突然個性が発動したんだ。……だけど、お父さんは違う。お父さんは……殺したかったから、殺したんだよ」
転弧の告白を、Aはただ黙って聞いている。
怯えもせず、責めもせず。
目の前の少女がいったい何を考えているのか、転弧にはさっぱり分からない。
それがますます得体の知れぬ不安を増長させていく。
「僕はね、ずっとお父さんのことが、き、嫌いだった。お父さんの建てた家も……お父さんに逆らえないお母さんも、おじいちゃんも、おばあちゃんも。……嘘つきで、守ってくれない華ちゃんも。全部……全部嫌いだった」
声が震える。視界が滲む。
言いながら、転弧は自分自身が恐ろしくなっていく。
「消えちゃえばいいって思った。お父さんを壊した時……た、楽しかった。今までずっと痒かったのが、あの時だけはなくなってた……」
だけどあの時から、ずっと自分が気持ち悪い。
人を壊して快感を得るなんて、人間のする事じゃない。
本当の自分が実は化け物だったのだと気がついてしまってから、怖くて怖くてたまらない。
どうして良いのか分からない。
助けてくれと、手当たり次第に叫びたかった。
けれど転弧を蝕む罪の意識が、彼の喉に蓋をした。
人殺しの自分は、助けを呼ぶことすら許されないと思っていた。
だって転弧はあの瞬間、心からヴィランになっていた。
ずっとヒーローに憧れてきた。
「君はヒーローになれる」と、その一言を家族に言って欲しかった。
けれど今、転弧にはそんな願いを抱くことすら許されない。
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メケメケ(プロフ) - 紅刃さん» ありがとうございます！続き更新いたしました！☺️ (3月16日 18時) (
レス) id: e50c7bd4d5 (このIDを非表示/違反報告)
紅刃(プロフ) - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (3月12日 22時) (レス) @page50 id: 147f4e35b6 (このIDを非表示/違反報告)
メケメケ(プロフ) - ユズさん» まだまだ続きます！コメント嬉しいです！ありがとうございます、頑張りますね！☺️ (3月10日 22時) (レス) @page49 id: e50c7bd4d5 (このIDを非表示/違反報告)
ユズ(プロフ) - 5章まで行ってくださるんですか！！？？？楽しみすぎます😊マジでずっとファンです！！更新楽しみにしてます！！！！！ (3月10日 8時) (レス) @page50 id: 5e2ce157d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メケメケ | 作成日時：2025年2月12日 21時
