将軍イメチェン計画(茂々×Under/Heart&桐花) ページ1
徳川茂々と言う現代では知らない人などいない英雄の苗字を持った青年が来てからはや一週間、世間ではゴールデンウィークが到来しようとしている。
世間では老若男女問わずパーリィピーポーの如くはしゃぐ長期休暇だが、茂々にとっては初めての事だ。
それもそのはず、彼は自分の名前以外のほとんどのことを忘却している────云わば、記憶喪失の状態なのだ。それに私は、どうすればかなり俗世離れした彼の雰囲気をこの現代に馴染ませるか考えあぐねていた。
その時に来た、ゴールデンウィーク。これはチャンスだと思った。
そこで私───皆杜静葉と幼なじみの五十嵐慧悟、ユニットメンバーの姫宮竜樹は、このほぼ記憶喪失の将軍チックな青年である徳川茂々のイメチェン計画を執り行う事にした。
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しかし、早速問題が生じてしまった。小さな問題ではない、大問題だ。
髷を結った髪型を、如何にしてアレンジしようかと思ったが───何とか髷は解けた。
けど、解けたらもう悲惨だった。
もうどうしようもなかった。どうにも出来なかった。
だって───
典型的な落ち武者のような髪型になっちゃったら、笑うしかないでしょ───?
「───という事なの。シゲの髪型どうすればいいのかもう分かんなくて・・・だって髷結ってるし、解いたら落ち武者になったんだよ!?だからどう足掻いても髪型変えられないけど・・・」
「いやそもそも髷から現代風にアレンジしようとする静葉の心意気にある意味尊敬の念を抱くっス」
そう呆れたように喋る慧悟に、私はぐうの音も出ない。だっていけると思ったのに・・・。
そして慧悟は立ち上がり、洋服掛けのポールの上にかけていたワインレッドのニット帽を手に取る。
「てゆうか、態々髪型を変える必要なんてないっス。元々シゲっちの顔立ちは整ってるっスから、下手に髪型変えても変になるだけ。こーいうのはひと手間加えるだけでいいっスよ。
はいシゲっち。あんまり動くなっスよー」
そういい茂々の頭にワインレッドのニット帽を被せ、微調整をする。
そして───彼の違和感の象徴となってた髷は隠れ、一気にストリートな感じが出てきた。
「確かに慧悟の言う通りだ。下手に髪型変えても違和感は残るから、こうして隠す方が良いかもね。後は、ある服だけでどうイメチェンするか・・・」
「あ、それならもう呼んでるわよ。全く・・・こんな時に頼るとは思わなかったわ、あの愚妹に」
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