P.20 ページ21
Aside
放課後、初めて自ら職員室に入って担任を呼び、大学受験をするのにかかる費用やレベルの話を聞いた。
高校受験を頑張っていたおかげで、まあまあな公立高校に入れていたため、青山学院を受けるための内容は学校の授業だけでも足りるそうだ。
しかしあまり受かってる人は居ないらしい。それに｢滑り止め｣で受ける大学も考えなければならない。
落ちた場合のことも考えなければならないのだ。｢滑り止め｣の大学の数を増やすにつれ、受験に使う費用も増す。
実際、受験料だけじゃなく通う人は塾代、通わない人は参考書代、文房具代など、かなりお金がかかるらしい。
ざっと計算しても1校しか受けられそうになかった。
進路調査票をしつこく出せと怒鳴っていた担任は意外と優しく、
費用のことに関しても、家庭の事情は話してないが何となく察して私に話をしてくれた。
｢課題出せよ〜｣と言い、担任は職員室に帰って行った。
そもそも大学にもし入れたとして学費はどうしよう。お父さんにお願いするか、奨学金制度か。
…まだ考えなきゃ行けないことがたくさんあるみたいで、頭が痛い。
学校を出た私は、大学受験の当事者に話を聞くことにした。
18:00
｢いらっしゃいませ！あ、Aちゃん今日遅かったね｣
｢ねえまりさん、相談があるの。｣
｢どうしたの？今 結構暇だからじっくり聞こうじゃないの〜｣
｢ありがとう｣
私たちはいつものスペースのソファ席に座る。幸いそこには誰もいなかった。
｢あのね、私、青学に行きたい。｣
｢成さんが行ってたところ？いいね！Aちゃんの賢さなら行けそうじゃん。｣
カミングアウトした割には驚かなくて、容易いお世辞まで挟んでくれる優しさに救われる。
｢いやいや、今まで受験勉強やってこなかったから1からのスタートなの。1年で間に合わせなきゃいけないんだ｣
｢ああなるほど、受験かあ...大変だったなあ。じゃあやりたいことも決まったの？｣
｢それはまだかな。学部はまだ決めてない。｣
｢そっか｣
｢それで、相談、というか、聞いて欲しいことがあるんだけど、いいかな？｣
｢もちろん｣
…
緊張して口ごもってしまう。家を出る時決めたじゃないか。まりさんには全部話すと。
｢ゆっくりでいいよ、時間はいっぱいあるからさ。｣
少し時間を置いて私はゆっくり話し出した。
両親が離婚してること
お父さんが家を出ていったこと
それでもお金は振り込んでくれてること
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 106人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「NEWS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫翠(プロフ) - 八百万さん» 八百万さん、コメントありがとうございますとても嬉しいです！！現在この作品の第2編(まっすー編)も連載中ですのでそちらもぜひお楽しみください！ (2021年6月22日 21時) (
レス) id: ea39d4d25c (このIDを非表示/違反報告)
八百万(プロフ) - 最初から一気読みしました！とても面白くて気づいたら読み終わってました！こんな面白い小説を読めてよかったです！ありがとうございます！ (2021年6月22日 16時) (レス) id: 6b4fee2f31 (このIDを非表示/違反報告)
紫翠(プロフ) - momoさん» momoさん最後まで読んでくれてありがとうございました！こうやってコメント頂けて本当に嬉しいです(泣) 今後とも紫翠をよろしくお願いします！！ (2021年4月20日 0時) (レス) id: ea39d4d25c (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 完結おめでとうございます！思いでの本屋さんは、更新されたら絶対に一番最初に読む！くらいな勢いで好きでした！(今もめっちゃ大好きです！)完結しましたが、また読み返します！ (2021年4月19日 18時) (レス) id: a0b82fa00b (このIDを非表示/違反報告)
紫翠(プロフ) - momoさん» STORYも最高でしたね(涙) (2021年4月3日 19時) (レス) id: ea39d4d25c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紫翠 | 作成日時：2021年3月15日 0時
