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シゲside
｢なんか今日荷物多くない？｣
｢明日課題提出なんですよ。全然手付けてなくて｣
｢Aちゃん文系だよね。大学どうするの？｣
｢んー、将来やりたいことが見つかってなかったので学部とかは全然。
学校の試験もまともにやってこなかったんで、受けるなら一般受験になると思います。｣
｢AO入試みたいなのは？面接だけみたいなやつ。｣
｢今、総合型選抜って言うらしいですよ。特技披露とかプレゼンとか...いや、無理でしょ｣
｢あ、そっか笑｣
俺は、中、高、大とそのまま進んだから、小6の時にしか苦労した記憶がない。
改めてAちゃんが今後どうするのか聞いてみたかったから、色々調べてきたのだけど、
｢この冬越したら、受験生だなんて信じられないです。もう大人になるんだなって｣
Aちゃんが3年生になったら、ここに来る回数も減ってしまうのだろうか。
そもそも俺がやってるのは受験の手伝いにしか過ぎないし、あと1年ちょっと過ぎればここで話すことも無くなってしまう、かもしれない。
だからそれまで、この子を支えたい。
…いつからこんなに親目線になったのだろうか。
この使命感はなんなんだろう...
ここに来る為にやることは増えた。でも頼りにしてくれていることは、本当に嬉しかった。
…親、親かあ。
｢ご両親は？なんて言ってるの？｣
｢ああ、まだ特に何も、話してないです。｣
あまり家族については聞いてこなかった。俺と同じ一人っ子ということくらい。
｢ご両親はなんの仕事してるの？｣
｢んーっと、あまりよく知らないんですけど、母は…ファッション関係だったと思います。｣
｢じゃあ共働き？｣
｢そんな感じです。｣
お父さんは？
この歯切りの悪い返答に少し違和感を覚えた。
そしてAちゃんは不自然に話を遮った。
｢...成さんは｣
｢え？｣
｢成さんは、大学、確か青山学院でしたよね？｣
｢そうだよ、法学部｣
｢じゃあそこにしよっかな｣
｢え？｣
｢学部はまだ決められないけど、成さんと同じ大学を志望校にしたら、やる気出るかもですし｣
｢えへへ｣と笑う彼女は本当に可愛かった。
｢あ！でも頭いいですよね？行けるかなあと1年で｣
｢いいね！！行けるよ！なんなら勉強教えるからさ、頑張ろうよ、受験。｣
｢頑張るっ｣と言うと、もっと笑顔になるAちゃん。
嬉しくて、気合いが入る俺。
___ああ、立ち止まるべき場所は、ここだったのかな。
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紫翠(プロフ) - 八百万さん» 八百万さん、コメントありがとうございますとても嬉しいです！！現在この作品の第2編(まっすー編)も連載中ですのでそちらもぜひお楽しみください！ (2021年6月22日 21時) (
レス) id: ea39d4d25c (このIDを非表示/違反報告)
八百万(プロフ) - 最初から一気読みしました！とても面白くて気づいたら読み終わってました！こんな面白い小説を読めてよかったです！ありがとうございます！ (2021年6月22日 16時) (レス) id: 6b4fee2f31 (このIDを非表示/違反報告)
紫翠(プロフ) - momoさん» momoさん最後まで読んでくれてありがとうございました！こうやってコメント頂けて本当に嬉しいです(泣) 今後とも紫翠をよろしくお願いします！！ (2021年4月20日 0時) (レス) id: ea39d4d25c (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 完結おめでとうございます！思いでの本屋さんは、更新されたら絶対に一番最初に読む！くらいな勢いで好きでした！(今もめっちゃ大好きです！)完結しましたが、また読み返します！ (2021年4月19日 18時) (レス) id: a0b82fa00b (このIDを非表示/違反報告)
紫翠(プロフ) - momoさん» STORYも最高でしたね(涙) (2021年4月3日 19時) (レス) id: ea39d4d25c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫翠 | 作成日時：2021年3月15日 0時
