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24. ページ24

面白くない、あの団地で呪霊を祓った日からずっと。

Aと話すことは無かった。話す内容も無いし、五条さんは長期の任務に出ていて、Aと一緒に俺を任務に連れ出すこともあの任務以来、今のところ無かった。だからAとは別になんの関係もない、けれど。

Aはあからさまに俺を避けていた。

例えば調理実習。たまたま同じ班になったけれどあいつは俺以外の奴とは話すくせに俺には話しかけもしない。例えば体育の授業。視線を感じて後ろを振り向けばAが慌てて目を逸らす。俺を見ているくせに話しかけもしないで、目が合わないように逸らす。

イライラが募って、俺を見てる視線が誰であろうとムカついてしょうが無くなる。一日の授業が終わり、家に帰る途中。集団で1人を虐めているやつを見た。

「これっぽちの金で足りるわけねぇだろ」
「……ご、めんなさい」
「謝んなくていいから、ほら出せよ」

1人に寄ってたかって投げつける言葉。縮こまっておずおずと金を握りしめて、見るからに虐めているそいつらに握りしめた金を渡そうとする弱々しい男。

足が止まり、その場面を眺めていた。


涙を流して、光の中に佇むAの姿が頭をよぎった。


ふつふつと湧き上がるのは先程の苛立ちとは違う、心臓をぐっと握られるような気持ち悪さと、怒り。

こういう奴がいるから、呪いが生まれんだよ。

こいつらは知る由もない、呪霊という存在。知らない、こいつらは知らないけれど、そのお前たちの負の感情でAがどんどん蝕まれている。


Aが何をしたと言うんだろう。
生まれながらにして呪霊が見えて、その呪霊と感覚を共有してしまう術式。望んだ力では無いはずだ。それでも世の中の呪いが減るようにと呪霊を祓う選択をしたA。

足は気づいたら動いていて、1人を取り囲む男たちに拳は向かっていた。

「っ!!は、っ!?」

頬を殴る感覚はダイレクトに脳内に飛び込んでくる。1発入れただけでリーダー格の男は膝を地面についた。その様子を上から見下ろしている。

「おまえ、なんだ!急にっ!!関係ねぇやつは引っ込んでろよ!」

向かってくる拳はスローモーションに見える、よっぽど呪霊のほうが恐ろしい。

殴る感覚は、心地よくはない。ただ男を痛めつけるたび、頭の隅であの光がちらついているような気がした。

虐めていた集団を踏みつけて、少しだけ空気が軽くなった気がした。それはただの一瞬であったけれど。




「伏黒、くん……?」

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雛形(プロフ) - hiyoriさん» hiyoriさんコメントありがとうございます!凄いと言っていただけて本当に嬉しいです…!私の場合小説を作る時はテーマを決めて大体のプロットを立ててから書き始めています。1話1話はそれに沿うように勢いで書いて推敲して、というような感じですね! (2022年10月3日 8時) (レス) id: 75869cdb85 (このIDを非表示/違反報告)
hiyori - 凄いです😭 どうやって小説は作るんですか? (2022年10月2日 22時) (レス) @page5 id: 3185205e6c (このIDを非表示/違反報告)
雛形(プロフ) - アキさん» アキさんコメントありがとうございます!他の小説も読んでいただいた上にさらにコメントまで!本当にありがとうございます!嬉しすぎて転げ回ってしまいます…!不定期更新になりますがこれからも頑張りますね! (2022年9月30日 1時) (レス) @page29 id: 75869cdb85 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - 主様の書く小説どれもドストライクすぎます😭💕💕 (2022年9月23日 1時) (レス) id: 011262e667 (このIDを非表示/違反報告)
雛形(プロフ) - 春雪さん» コメントありがとうございます。見直したのですが名前変換できない部分が分からず、念の為更新したのですが現在も変換出来ない様でしたらどの文章の所か教えて頂けますでしょうか…?本当に申し訳ありません‪‪💦‬ (2022年7月24日 23時) (レス) @page9 id: 75869cdb85 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雛形 | 作成日時:2022年1月26日 19時

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