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授業終了のチャイムが鳴り、放課後を告げる。伏黒くんとの約束のため荷物をまとめようとしたときだった。クラスメイトに話しかけられた。

「Aさん!帰る前に今日のノート見せて!」
「あ、じゃあノート見せてる間に俺の掃除当番変わってくれない?」

いいよ、と普段なら答えるところだった。でも今日は伏黒くんとの約束があった。答えあぐねて視線を彷徨わせる。伏黒くんは私の前をわざと通り過ぎ、ちらりとこちらを向いた。いいよ、と声には出さず小さく口を動かす。その動きを確認して私はクラスメイトに視線を戻した。

「うん、いいよ」

閉まったノートを再び取り出す。クラスメイトはありがとうとお礼を言って自分の席に戻っていった。席を立ち、掃除用具が入ったロッカーから箒を取り出す。伏黒くんは教室の外に出ていっていた。きっと五条さんとの待ち合わせまで時間があるから許してくれたんだろう。

徐々に教室から人が減っていく。私のノートを見ていたクラスメイトはノートなんかそっちのけで友人と話しているようだった。つきり、と僅かに胸が傷んだ。必要とされたはずだったそれはクラスメイトからしたら重要でもなかったらしい。ただ友人と話す時間稼ぎになっていた。

教室の掃除が終わろうとしたころだった。教室には私と他に数名のクラスメイトのみ。私のノートはまだクラスメイトの机の上にあった。ガラッ、と教室のドアが開く音。放課後教室から出る人がいても入ってくる人はそうそういない。教室に残っていた人たちはひとり残らず私も含めてその開いたドアをみた。

「あれ?伏黒じゃん、なに忘れ物?」

ドアを開けたその人を見たクラスメイトはそう口にする。伏黒くんはその言葉に答えること無くクラスメイトを一瞥すると私のほうをみた。

「チッ」

盛大な舌打ちは閑散とした教室に響き渡る。ぴくりと私の体に力が入った。

「いつまで掃除してんだ、早くしろよ」

あからさまに不機嫌な彼は図書室での彼とは別人のようだった。いや彼にとってはこっちが素なのかもしれない。箒の柄をぎゅっと握って突っ立っていた私は慌ててロッカーに箒を突っ込む。ノートを返してもらおうと友人と話しているクラスメイトの席に近づく。

「あ?なにAさん、伏黒と仲いいの?」

「あの、いや、そうじゃなくて」

「ふーん、へぇ。まいいや。はいノート」

含みを持つような笑みを浮かべて私にノートを返す。私はそのノートを乱暴にカバンに詰め込んで教室のドアへ足を向けた。

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雛形(プロフ) - hiyoriさん» hiyoriさんコメントありがとうございます!凄いと言っていただけて本当に嬉しいです…!私の場合小説を作る時はテーマを決めて大体のプロットを立ててから書き始めています。1話1話はそれに沿うように勢いで書いて推敲して、というような感じですね! (2022年10月3日 8時) (レス) id: 75869cdb85 (このIDを非表示/違反報告)
hiyori - 凄いです😭 どうやって小説は作るんですか? (2022年10月2日 22時) (レス) @page5 id: 3185205e6c (このIDを非表示/違反報告)
雛形(プロフ) - アキさん» アキさんコメントありがとうございます!他の小説も読んでいただいた上にさらにコメントまで!本当にありがとうございます!嬉しすぎて転げ回ってしまいます…!不定期更新になりますがこれからも頑張りますね! (2022年9月30日 1時) (レス) @page29 id: 75869cdb85 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - 主様の書く小説どれもドストライクすぎます😭💕💕 (2022年9月23日 1時) (レス) id: 011262e667 (このIDを非表示/違反報告)
雛形(プロフ) - 春雪さん» コメントありがとうございます。見直したのですが名前変換できない部分が分からず、念の為更新したのですが現在も変換出来ない様でしたらどの文章の所か教えて頂けますでしょうか…?本当に申し訳ありません‪‪💦‬ (2022年7月24日 23時) (レス) @page9 id: 75869cdb85 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雛形 | 作成日時:2022年1月26日 19時

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