ゆー、うぃる、びー/星結 ページ9
*センラくんの彼女に必要な7つのこと【センラ】の番外編?です。*
*side you
闘病日記というものは、明るくあるべき、なんだろう。
私もそうあるべきだと思ってこれを書いた。
君のために。
私が足枷に、ならないように。
本音を綴ったページは破り捨てた。
「ほんとは渡したくない」
「生きて、幸せになりたいよ」
「センラくんが他の人のものになるなんて嫌」
「怖い、死にたくない」
「私も幸せになりたかった」
そんな汚いもの、見せられる訳なかったから。
病室のゴミ箱に捨てたんじゃきっと見つかるから、自販機前のゴミ箱に棄てた。
そしたら、抱えてたものが全部すっきりした、気がした。
だけだった。
ほんとは何も解決してない。
私が書いたのは、ただの偽善だ。
センラくんには幸せになって欲しい。
それは本音。
でも、でも。
私とじゃ、幸せになれなかったのかな…。
もし私が、ピーマンをちゃんと食べてたら、もし私が、ちゃんと厚着をしていたら、そんなことばかり考えてしまう。
そんなのじゃだめ、心配かけちゃう。
そう思うのは良いけども、思いきれないのが現実ってものだ。
[あなたも幸せになってください]
そんなことを良く書けたものだと自画自賛した。
ほんとはこんなこと、1ミリも思ってないのかもしれない。
私の中にある善は、偽善なのかもしれない。
押し殺した感情かもしれない。
でも、でも、でも。
ifとbutが入り混じった小説が面白くないように、私の人生はあっけなかった。
お医者さんから聞いてる。
もう、無理だって。
もういつ死んでもおかしくないって。
あぁ、分かってても辛いね。
君ともう会えないんだね。
私のいない世界で君は、どう生きるんだろう。
でも、お願い。
死んだ私を想い続けて死ぬなんて許さない。
それは、純愛に見えたサバイバーズギルト。
大好きな君の人生を、悲劇に仕立てあげることなんか出来ない。
倒錯する想いの中に書き殴ったそれだけが、やけに綺麗だった。
ゆー、うぃる、びー、はっぴー。
あい、うぃる、のっと、びー、はっぴー。
それが生命の理。
17人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:参加者一同 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/seyu/
作成日時:2018年9月29日 11時