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センラさんはいっつも涼しい顔してる。

それは記憶を失くした今でも変わらなくて、本当に困る。

だって私はセンラさんの言葉一つで顔は真っ赤になって、胸がきゅんきゅん高鳴ってるのに、センラさんはニコニコ本心の読めない顔。

別に嫌なわけじゃない。

そういう人なんだって、長い付き合いの私にはわかりきってることだから。

でもやっぱ、悔しくって。

うらたんやまーしぃ、さかたんには余裕のない顔も見せるのに私にはそんな、そんな顔見せてくれない。弱音だって、吐いてくれない。

私、そんなに頼りない?信用できない?

我儘だってわかってる。そんな気持ちとだって今までずっと付き合ってきた。今更文句を言うつもりもない。

でもそろそろ、仕返しぐらいしてもよくない?


9月末に行われた、センラさんバースデーパーティの打ち合わせでそんな意地悪な考えが頭をよぎった。


「A、何か案あるか?」

「ふっふっふ、やっぱセンラさんってもっと走ったりするべきだと思うんだよねぇ…」

「うわぁ、これヤバイ笑みやでうらたさん…」

「ラマンご愁傷さま…」


私が話した計画はなんと了承された。

そしてその計画は、住まわせてもらってるクロちゃんの家を出る、うらたんがセンラさんに「Aがいない」と連絡する、センラ走って探す、そしてドーンとプレゼントをあげる。

主役なのにこんなことするのもなぁ、と海辺で思ったけど必死に探して安堵するセンラさんの顔を見たら、してよかったって思っちゃうよね。


センラさんは優しい。私には勿体無いくらい。そしてとってもピュア。好きってあんまり言ってくれないし。

だから私は君に求められてるって、必要とされてるっていう実感が欲しくってこんな意地悪。


「プレゼントは私でーす!」


それだけ走って褒美が私だったら、君はどんな顔してくれるのかな。

期待を込めて手を握ると、センラさんは汗の伝う顔で笑った。


「__今夜は寝かさへんからな。お仕置きや、ばぁか」


握り返した君の手は、汗で熱くなってた。

チクリと良心が痛んだけれど、君の愛がもらえるのなら、私は何度でも意地悪になるよ。

私に抱きついたセンラさんに隠れて、私は悪魔のようなな笑みを浮かべたのだった。

愛の言葉はいらない/sera→←小悪魔彼女のクエストは/sera



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作者名:参加者一同 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/seyu/  
作成日時:2018年9月29日 11時

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