可愛くねぇ奴。- 2 -

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岸が出張に行ってからの2日目。
私の気分が上がることは無い。


こんな時に限って、彼との連絡のやり取りが途切れてしまった私には、焦りと不安ばかりが押し寄せて、寝ても疲れが取れた気がしなかった。


岩橋くんから発せられた「いつも2人はよく話している」という言葉が頭の中を永遠に回り続けて、更に焦りと不安が押し寄せる。




食事を共にして、部屋は違えど同じホテルに帰るなんて、お酒が入ったことで、2人がソウイウ関係になっていたら…？


ソウイウ関係ではなくても、距離が近かったり、手が触れたり、その場の流れでキスをしてしまっていたら…？


いやいや流石に仕事で出張いってるんだからそんなわけ…


でももし、内田さんが岸にアタックしたら…？




そんなの…そんなの絶対に嫌…




内田さんが岸のこと、恋愛対象として好きだったらどうしよう


岸が内田さんみたいな子がタイプだったらどうしよう


私にはどうしようもできないことがもどかしくて、心を掻きむしりたくなる。






「Aさんっ♪」

「岩橋くん…」



岩橋くんの手には仕事鞄。
窓の外は日が落ちていて、雨。



「一緒にご飯食べて帰らない？」



その言葉に、もう定時を過ぎたのだと気付く。



「うん、いいよ」

「ほんと！」

「うん、どこ行こっか」



気を紛らわすように、私はその誘いに乗る。








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