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「お姉さん、ちょっとだけ久しぶりじゃん」





桜庭見た目の紳士的な爽やかさは、素性を隠すための道具なのかもしれない。

私のこの貼り付けた顔と同じように。





「てか思ってたんだけどさ、おねぇさん、刑事とか出来てんの?w」





静けさの中で、私の背中に刺さった。

どうして、今日に限って、心が弱い。

しっかりしろ、しっかり立て。





「桜庭、静かにしろ」





濱田先輩の言葉は、熱の上がった桜庭には届かない。





「あんなとこに1人で乗り込んで来ちゃって
最初はさ、おねぇさん強いじゃんって思ったけど戦ったらそうでもねぇしww


あっさり俺に乗られちゃってさw
あんなんで大丈夫?w
自分の力信用しすぎじゃね?w
結局周りがいなかったら俺の事、普通に逃してるからね?w


捕まってた俺が言うのもアレだけどw


いやー、1人で来るなんて俺も舐められたもんだなって思ったんだよねぇw






………まじうっざ。」







スリープ状態で暗くなった画面に反射する自分の顔は、まだ、貼り付けた顔のままだ。






「…調子乗ってんじゃねぇぞ、女のくせに。」






「黙れ!!」

「怖いよお兄さん、俺にだって自由に発言させてよ_____ 」







あ。 もう、だめだ。

今、心が壊れた音がした。

私の心は、こんなにも弱かっただろうか。







「俺この女がいるんだったら、何も言わねぇから。」

「…おいA」

「私がいる前では一切供述しないというなら代わります。」






私は立ち上がり受話器を手に取った。





「…」

「私がいなくなることで、桜庭が全てを話すならそれが最善かと。」

「…分かった。」





カッコつけてんじゃねぇよ、という言葉の矢が
取調室から電話をかける私の背中にまた刺さる。





「失礼します、矢野です。」

「すみません、交代お願いします」

「はい」





代行の矢野刑事に資料を渡し、私は取調室を出た。

そして私はそのままデスクに戻り、パソコンの電源もつけないまま、ただ暗い画面に反射して映る自分を見つめた。




泣きたい。

悔しい。

情けない。




…ポーカーフェイスなんて顔の貼り物は、本当に必要なものだったのだろうか。


感情を表に出さない顔は、こんなに怖かっただろうか。


こんなにも心が泣いているのに、べっとりと貼り付けた私の目からは涙1つ、出ていなかった。








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ash(プロフ) - フランボワーズさん» 貴重なご意見ありがとうございます! (2019年7月2日 23時) (レス) id: b40656dd38 (このIDを非表示/違反報告)
フランボワーズ(プロフ) - 登場人物のツイートとリプ返めっちゃいいと思います!リプ返されたら私、嬉しすぎて発狂しそうですけど笑 (2019年7月2日 22時) (レス) id: 0167d732cf (このIDを非表示/違反報告)
ash(プロフ) - るいさん» 貴重なご意見ありがとうございます! (2019年7月1日 19時) (レス) id: b40656dd38 (このIDを非表示/違反報告)
ash(プロフ) - ひなさん» 貴重なご意見ありがとうございます! (2019年7月1日 19時) (レス) id: b40656dd38 (このIDを非表示/違反報告)
るい(プロフ) - 青い鳥でのashさんも見てみたいなと思います(*^^*)登場人物のツイートやリプも新しい気がして面白そうですよね! (2019年6月25日 20時) (レス) id: d1e23dd89a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ash | 作成日時:2019年6月16日 1時

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