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akito▷▷




Aも望も帰って、静かになった部屋で俺はある人物に電話を掛けた。




『もしもし』

「もしもし淳太?」

『うん』




俺はソファにどかっと腰掛けた




「望の素行が良くなった理由は、そういうことやったか…w」

『…』

「淳太の読みは当たってたみたいやで」




つい最近、淳太からこんなことを聞いた

“ 望が夜の遊びをやめた ” と。




「今日たまたま望が飯食いに来ててな?しかもAが俺ん家に忘れもんしてたからチャンスかなって思ってAを家に呼んだんよ」

『おう』

「望に内緒で」




淳太曰く、Aと望が俺の働いているレストランで偶然会った日からパッタリとソウイウコトをしなくなったらしい


望の体も心配やったし、辞めることには大賛成だから「何でやめたんや!」なんて言う気はさらさら無いけれど、淳太にはどうにも思い当たるのがAとの出会いしかなかったらしい


…嫌な予感がしたらしい。





「様子から見て、うん、まぁ、…あれは完全に惚れてるやろうな」

『…そっか』

「Aさんって呼んでもええですかー、って聞いてたで」

『…そっか』

「でもな?望には悪いけど…恋愛に発展するのは厳しい気がするわ」





気付けば電話の奥が静かになっていた





「淳太?もしもし?」

『………俺、女々しいな』

「何が?」

『女々しいし、大人気ないな』




『…俺の方が、って思ってる』





俺の方があいつのことをよく知っているのに

よく理解しているのに

何年も一途に思っているのに




…初めて聞いた淳太の心の声だった。




「うん、分かる、分かるよ、すげぇ分かるよ」

「でもほら、あいつがAに惚れても、Aが望のこと好きになるとは限らないやんか」

『…うん、せやな、ありがとう』




通話を終えた携帯を放って、ソファに横になる




「難しいなぁ…………」





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作者名:ash | 作成日時:2019年3月7日 23時

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