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「いやー、美味かったな」
「はい、美味しかったです」
美味しい料理を堪能して、午前中の疲れが少し取れた気がした。
「じゃあ、そろそろ戻るか」
「そうですね」
伝票を持ってレジに行くと、知り合いだからなのか、わざわざ厨房での手を止めてレジを担当してくれる照史。
「桐山さん、めっちゃ美味かったです」
「うわー、嬉しいです」
「ほんと美味しかったよ、また来るね」
「うん、待ってる。いつでも来ぃや?」
「うん」
そんな会話をしているといつの間にか会計が進んでいることに気づく。
「先輩!昨日もタクシー代出していただきましたし、せめてここは私が…」
「ええの。先輩やねんから先輩ヅラさせてや?w」
そう言って財布を持つ手を下げさせる先輩。
「ほんとすみません…ごちそうさまです」
「そこは謝るんとちゃうくて?」
「…ありがとう、ございます」
「はい、よく出来ました!」
ニコニコ笑顔の先輩が、財布を胸ポケットにしまい終わるのを待っていると、カランとベルが鳴りレストランの扉が開いた。
「え、A?」
「え、淳太」
「おー!淳太やん!望も!」
予想外の展開に目が丸くなる。
隣で濱田先輩の頭の上にはハテナマークが浮かんでいる。
「な、なんで淳太がここにいるの?」
「いや、普通に飯食いに来たんやけど…ビックリしたわ」
ふと淳太の斜め後ろに視線を移すと、何となく見覚えがある人とバッチリ目が合ってしまった。
目を見開いてなんだかすごく驚いている様子だった。
「あ、淳太!こちら、私の先輩の濱田さん。
先輩、こちらはさっき話していた友達の中間です。…えっと、それから…」
「僕の店でアルバイトしてくれている小瀧です」
見覚えがあるのに名前が思い出せずにいると、それに瞬時に気付いた淳太がフォローしてくれる
「初めまして、中間さん、小瀧さん」
“ 小瀧 ”
そうだ、あの時の、バーの関係者扉の所で少しだけ話した人だ。
私の無くなりかけていた記憶が鮮明に蘇るのを感じた。
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作者名:ash | 作成日時:2019年3月7日 23時