検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:142,049 hit

21 ページ22

.





.





「いやー、美味かったな」
「はい、美味しかったです」




美味しい料理を堪能して、午前中の疲れが少し取れた気がした。




「じゃあ、そろそろ戻るか」
「そうですね」




伝票を持ってレジに行くと、知り合いだからなのか、わざわざ厨房での手を止めてレジを担当してくれる照史。




「桐山さん、めっちゃ美味かったです」
「うわー、嬉しいです」
「ほんと美味しかったよ、また来るね」
「うん、待ってる。いつでも来ぃや?」
「うん」




そんな会話をしているといつの間にか会計が進んでいることに気づく。




「先輩!昨日もタクシー代出していただきましたし、せめてここは私が…」
「ええの。先輩やねんから先輩ヅラさせてや?w」



そう言って財布を持つ手を下げさせる先輩。



「ほんとすみません…ごちそうさまです」
「そこは謝るんとちゃうくて?」
「…ありがとう、ございます」
「はい、よく出来ました!」



ニコニコ笑顔の先輩が、財布を胸ポケットにしまい終わるのを待っていると、カランとベルが鳴りレストランの扉が開いた。




「え、A?」
「え、淳太」
「おー!淳太やん!望も!」




予想外の展開に目が丸くなる。

隣で濱田先輩の頭の上にはハテナマークが浮かんでいる。




「な、なんで淳太がここにいるの?」
「いや、普通に飯食いに来たんやけど…ビックリしたわ」




ふと淳太の斜め後ろに視線を移すと、何となく見覚えがある人とバッチリ目が合ってしまった。
目を見開いてなんだかすごく驚いている様子だった。




「あ、淳太!こちら、私の先輩の濱田さん。
先輩、こちらはさっき話していた友達の中間です。…えっと、それから…」

「僕の店でアルバイトしてくれている小瀧です」




見覚えがあるのに名前が思い出せずにいると、それに瞬時に気付いた淳太がフォローしてくれる




「初めまして、中間さん、小瀧さん」




“ 小瀧 ”

そうだ、あの時の、バーの関係者扉の所で少しだけ話した人だ。

私の無くなりかけていた記憶が鮮明に蘇るのを感じた。






.






.

22→←20



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (118 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
475人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ash | 作成日時:2019年3月7日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。