憧れ ページ1
『A
あんた、足は大丈夫なの？捻挫したまま踊ってたなんて…』
「ご心配おかけしてすみません。病院に行ったのでもう大丈夫です」
『絶対安静ですからね！完治するまで踊っちゃダメですから！』
『あれ？ヘジョン…顔真っ赤』
『酔ってる？』
『Aオンニは、ちょっとやり過ぎなくらい頑張っちゃうんです。そこが素敵で格好良くて尊敬出来るところでもあるんですけど…でも…痛い思いはしないでください……私は、オンニには笑っていてほしいんです。オンニはもっと幸せに…うっ、オンニぃ…うぅ、ひっく』
「ヘジョンちゃん、大丈夫？落ち着いて」
『酒弱いんだからそんな飲むなよ〜』
『うぅ〜 ひっく、ひっく』
「泣かないでヘジョンちゃん。私幸せだよ？」
『オンニ〜』
泣きながら抱きついてきたヘジョンちゃんは、しばらくすると
私の膝の上で寝息を立て始めた
『まったく…この子は。怪我人の上で寝るなんて』
「泣き疲れちゃったんですかね」
『まだまだ子どもね』
そう言って笑ったチャンさんがヘジョンちゃんを抱き上げて、広い場所へ移して寝かせた
力持ちだなぁ
『ねぇねぇAちゃん』
「はい」
『これは噂で聞いた話だけど
衣装で履いてた靴、サイズが合わなかったんだって？
それで靴擦れがひどいって』
「えっ
あ、それは…」
メイクさんやスタイリストさんたちの間で噂になっていたらしい
困ったな…どう誤魔化せば
『そうですよ』
「……」
『ソラ』
『Aさんが履いていたのは、本来あたしのために用意された靴。あたしがわがままを言って履かせたんです』
『……』
「ソラちゃん、私は」
『この人
何をしても怒らないから』
「……」
『ソラ、あなた何を言ってるの』
『ダンスが上手くて、歌も上手くて、容姿も優れてるのに性格まで良いなんて…そんなの
悔しいじゃないですか。
あたしが人気なのは表面上だけで
本当は何も持ってなくて空っぽなのに
Aさんばっかり、って
妬んでたんです』
初めて聞く
ソラちゃんの本心
…ううん、違う
あのときも
"あたし、あなたのことが大っ嫌いです"
"あたしなんて、何も上手くいかないのに…あんたばっかり"
ソラちゃんは
自分に自信が無いんだ
人と比べて、苦しんで
何とか息をする方法を彼女なりに探してた
『…あたし』
「うん」
『本当は
あなたに、憧れてたんです。ずっと』
「え…？」
『Aさんみたいになりたかった』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 800人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミヌ(プロフ) - いやぁー、もうー、好きぃいーTT (2021年4月17日 4時) (
レス) id: 8612cef835 (このIDを非表示/違反報告)
うすす(プロフ) - 完結おめでとうございます！！一回読み直してみたんですよ。あ、面白い。() と再確認できました！実際何回も読み直したせいで感想遅れました。素敵な作品ありがとうございました！ (2020年5月6日 22時) (レス) id: a2b2c72b52 (このIDを非表示/違反報告)
彩都(プロフ) - 完結おめでとうございます！すごく純粋な主人公とホシくんとの恋愛がとても可愛くて楽しく読ませていただきました！メンバーとも仲良くなって終わったのがとても嬉しかったです！お疲れ様でした！ (2020年3月27日 5時) (レス) id: 16d9298981 (このIDを非表示/違反報告)
あまいくりーむ(プロフ) - みんな可愛い！みんなに癒されます！いつも素敵なお話ありがとうございます！ (2020年1月8日 21時) (レス) id: 9358b5978b (このIDを非表示/違反報告)
李紗(プロフ) - 今日いっきにに読ませていただいたんですけど、も、この作品愛してます。レモンさんも大好きです。更新頑張ってください！ (2019年12月8日 22時) (レス) id: 8206f9b903 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レモン
| 作成日時：2019年12月8日 18時
