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悟「大人になるってことはね、
今までは綺麗に見えてきたものが汚く見えてきちゃうってことなんだ。」



” 綺麗に見えていたものが、汚く見える”


先程砂糖をたっぷりと入れ、かき混ぜていた
ティーカップに口をつけたお兄さんは
その水面をじっと見つめていた。




悟「Aはまだまだ純粋で可愛いよ。
でも僕のせいであまり外には出られないよね。」




確かに外出はお兄さんが一緒じゃないとあまり
好まれないから1人ではしたことが無い。





「でもそれを私は苦に思ったことは無いよ?」




お兄さんと一緒じゃないと、つまらないもの。




悟「そう?それならいいんだけど、本来Aは
外の世界に出て色々なことを自分の眼で知らなきゃいけないんだ。」




「でも私はお兄さんと一緒がいいな。」


そう言うと、頬に手をあてがわれる。





悟「でもさぁ、さっきのピーターパンのお話だって、Aはホントのことを知らないでしょ?」



悟「あの話、子供の願いを叶えてくれる英雄の話に見えるけど、あれはただ単に人殺しの話だからね?」




ほら、汚いでしょ?



と、表情をコロコロ変え、今度は真顔になった
彼の顔はとても冷たい。




美人の真顔は怖い…とか、なんだっけ。
正式な名称は忘れちゃったけどそんなものを感じられた。





「つまりお兄さんは、大人になるとこういう変化があるよー!っていうのを童話で教えてくれたわけだ!」




子供にとっては素敵な話。
大人にとっては悲惨な話。




成長するにつれて知らなくていいものまで知って
しまう、それをお兄さんは教えたかったんだと思う。




悟「さっすが僕のA。
やっぱり勘が鋭いね、大当たり、ビンゴだよ。」




パチンっと指を鳴らし、片目をウィンクさせた彼は
もう一度ギュッと私を抱きしめる。





悟「きっとこれから大人たちがAに色々接触してくると思う。
特にさっきのカフェの黒髪くんは要注意だ。」





やっぱりお兄さんはあの黒髪の店員さんを
警戒していたらしい。



カフェの中でもあの人にずっと眼を向けていた。




悟「これからこの家に来られても、
どこかで会っても、僕の妹だって言ってればいいから。」



「分かった。お兄さんの、妹。ね。」




また、

酷く冷たい声がリビングに響き渡った。



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作者名:tsuki | 作成日時:2020年11月28日 21時

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