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中は以外にも綺麗だったが、殺風景という言葉がぴったりな雰囲気だった。
「そこに座ってろ。あーそういや…」
荼毘さんは私にソファへ座るよう促した後、別室へ行こうとしたのか、ドアノブに手をかけたが、何かを思い出したようにこちらに身体を向ける。
「ほらよ」
何かが宙を舞い、咄嗟にキャッチする。
受け取ったのは私のスマホだった。
(人のスマホ投げないでよ…。)
と心の中で文句を言ったときには、バタンッと荼毘さんはドアの向こうへ消えていた。
ようやく自分の元へと返ってきたスマホを確認する。
外見は特に壊れているようなところは見当たらない。
じゃあ中は…とスマホを開いたのだが、何故かパスワードロックなしで開いた。
＿＿＿さすがは敵、人のスマホを弄くり回すことなどお手の物か。GPS機能もバグっている。
そして、頼みの綱だった電話機能とSNS機能は使えなくなっていた。
……一体どうやったんだ。
ここで、やけに冷静な自分がいることに気が付く。
まあ、もしかしたら逃げ場のないこの状況にもう諦めがついているのかもしれないが。
………状況を整理しよう。
まず、事の始まりは昨日。あの荼毘という敵が自身の個性であろう青い炎で殺人をしていたところに私は遭遇した。
なんとかその場を離れ、警察とヒーローのお世話になり、私は無事帰宅。
そして今日。
荼毘がまた私の目の前に現れ、ほぼ誘拐･脅しというような形で家に連れ込まれる。
スマホはもう使い物にはならない。
ここまでの道順も覚えているわけがない。
そもそもあの男から逃げられる勇気も自信もない。
荼毘さんは私に対し、「殺すつもりはない」と言っていた。それはそれで安堵してしまうことだが、ますます荼毘さんの目的が分からなくなる。
荼毘という男は酷く冷徹できっと殺人になんの躊躇いもない。
歳は20代だろうが、そのツギハギだらけの全身が特徴的だ。腕も、顔も……。
顔…といえば目…。
ああ、まただ。
事ある毎に、あの気だるげに開かれた蒼い瞳を思い出す。
＿＿＿＿＿＿＿＿綺麗だった。本当に。
初めて瞳をみたあの一瞬は恐怖でさえ忘れたのだ。
惹かれたのだ、きっと。
(っていやいやいや…。相手は敵だって。)
そう、何を言おうが荼毘さんは敵なのだ。
自分を殺す可能性のある人に抱く感情ではない。
自身に芽生えた感情が複雑だった。
用が済んだら家に帰してくれるのだろうか……。
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ユア - はじめまして。すごくお気に入りになりました。更新楽しみにしています(*´`) (2021年8月25日 16時) (
レス) id: ca5ea56c38 (このIDを非表示/違反報告)
刹那カイ(プロフ) - はにか※はにかんさん» コメントありがとうございます！そう言って貰えてとても光栄です！気長に待っていただければ幸いです…！頑張りますね！ (2020年1月19日 16時) (レス) id: a642ec9f2d (このIDを非表示/違反報告)
はにか※はにかん(プロフ) - まって、読んできた中で上位に入るぐらい面白いです！無理せず続き頑張ってください！気長に待ちます！ (2020年1月19日 15時) (レス) id: d702d64ecc (このIDを非表示/違反報告)
刹那カイ(プロフ) - 安里さん» コメントありがとうございます！いい夢見れるんですか！？笑笑嬉しいです！更新スピード上げられるよう頑張ります！！ (2020年1月14日 8時) (レス) id: a642ec9f2d (このIDを非表示/違反報告)
安里(プロフ) - 毎日楽しみにしてます！！いつも寝る前に読むのですが、キュンキュンしすぎて全然寝れますせんでもいい夢見れますありがとうございます！！ (2020年1月13日 23時) (レス) id: 04b0ac31ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹那カイ | 作成日時：2019年11月3日 13時
