第35話 読めぬ心で彼女は笑う ページ36
NOside
桜「いや…まあ確かに傷ついたってのは多少はあるんだが…」
貴『…本当にすみません……』
あっいやいいんだと慌てて手を横に振る桜備。
全部正論だったしな…と少し困ったように頭を掻いた。
桜「今回の原因はやっぱり茉希の暴走だし…無能力者のくせにってのは割と言われ慣れてたしなぁ…」
そう苦い表情で顎に手を置く桜備。
Aを見つめてでもと呟く。
桜「お前みたいに心配してくれた奴は初めてだから、少し嬉しいよ。」
そう温かい笑みで笑う桜備。
あまりにも予想外の言葉に、Aは驚いた表情のまま桜備を見つめてしまった。
………それと同時に、罪悪感が湧いてくる。
…自分は、そんなに綺麗な人間ではないのに。
貴『…そんなんじゃ無いですよ。』
そう、ボソッと呟くA。
刻々とミーティングの時間が近づく。
一定に時間を刻む秒針の音がやけに大きく聞こえた。
貴『…私は…ただ』
Aが何かを口にしようとした
その時
ガチャッ
ア「失礼する」
森「あっおいバカ急に入るな！！！」
Aも桜備も突然の事に驚いた顔をしたがAはすぐにいつものような笑顔に戻って
貴『別にいいさ。特に大事な話してたわけでもないし』
そう言ってね？と桜備に同意を求めた。
時計を見れば10分前。
二人にしては早い時間だ。
けれども特段問題のある時間でも無かったため、早く来たのはいいがなと軽い説教だけで済ませた。
森「すみませんお話の邪魔して…」
桜「あ、いや」
貴『いいんだよ。大事な話じゃないって言ったろ？』
少し動揺する桜備に被せるようにそう言うA。
何か、大事なことを聞きそびれた気がする。
そう思ってももうおそらくAは話してはくれないだろう。
もうきっと、話してはくれない。
そう思っても知らなければいけないような気がした。
だって
"貴『…私は…ただ』"
そう話す、彼女の寂しげな表情から
………何も、感情を感じ取る事が出来なかったから。
桜「(お前は、一体何を考えているんだ…？)」
その寂しげな表情は、とても本物には見えなくて。
仮面の下にある何かが透けてうっすら見えた気がした。
………けれども、彼女の仮面にやすやすと触れるほどの勇気は無くて。
不安の募る桜備に対しどうかしましたかと彼女は笑う。
…まるで何か見たかとでも問うように。
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ふたば(プロフ) - この作品とても面白くて大好きです！夢主ちゃんのスパダリっぷりに思わずキュンキュンしてしまいます笑これからも執筆頑張って下さい✨ (2021年10月25日 0時) (
レス) @page50 id: 4559ad2a7b (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - すごく面白いです！更新頑張ってください！ (2021年9月30日 18時) (レス) @page2 id: cc011a7ffe (このIDを非表示/違反報告)
陸(プロフ) - 色々ありますよね、大丈夫ですよ！ (2021年9月20日 0時) (レス) id: 19eff5b33e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：3度の飯より推しが好き | 作成日時：2021年9月18日 20時
