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第33話 どうにも合わないこの組織 ページ34

NOside


流石の脳内お花畑野郎である。

正解と真逆の回答を導き出した。


ヒュンッとその場の温度が下がるのを感じた。

…恋話でヒートアップしてしまってる茉希以外は。


明らかにAの機嫌が更に悪くなったというのに、茉希は全くそれに気づかない。

周りの全員、特に森羅とアーサーはこれからAがブチ切れるかもしれない、と不安にかられたが…


貴『ごちそうさまでした。』


そう、いつの間にか食べ終わっていた空の皿を持ってキッチンへと歩いて行った。

何も起こらなかった事に安堵と同時すると同時に、何も起こらなかった不気味さに恐怖を感じる。

その場の全員が絶対にAにしつこく迫る事はしまいと固く決意した……のだが……


茉「否定しないってことは…まさか!?」

桜「お願いだからいい加減にしてくれ茉希…」


やはり茉希だけは別だった。

普段は頭もよくクールな美人だというのに、何故恋愛ごとが絡むとここまでポンコツになってしまうのか。

いい加減にしてほしい。

桜備達は全員深い、深いため息をついた。



貴『はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…』


時を同じくして、茉希から逃れるためにキッチンへと移動したAも森羅達と同じように長い長いため息をついていた。


貴『(今日は厄日か…)』


心底この隊が肌に合わないと感じた。

元々Aは第八のように家族のような社会ではなく、会社のような競争社会でこそ実力を発揮できる人間だ。

上の人間に信頼され、下の人間に慕われる。そんないい一つの歯車を演じるのが得意。

…だというのに


桜備達のような全員が全員を信頼するような場ではAの特技は全くとして披露されないのだ。

それどころか、少数精鋭なせいで距離を起きたい人間も中々距離を置けない。

人が少なすぎるせいで“好かれなくても支障のない人間”がいないのだ。

これからこの隊でやっていかなければならないと思うと、とても気が重かった。


貴『(人がここまで思い通りに動かないのは初めてだ…)』


やはり“変人”と言うべきか。


貴『(………とりあえず、あの人の熱が冷めたらもう一度話そう…今は何話しても恋愛に結びつけられそうだ…)』


そう思いながらAはスポンジと洗剤に手を伸ばす。


貴『(……それにしても、ちょっと言い過ぎたかな)』


大隊長は悪くなかったのにボロクソ言ってしまった事に対して少し反省し、あとで謝ろうと皿を洗った。


貴『(…ま、嘘は何一つ言ってないけど。)』


言わなきゃ何も問題はない。

第34話 謝罪パラダイス→←第32話 相手をフるなら思い切り



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ふたば(プロフ) - この作品とても面白くて大好きです!夢主ちゃんのスパダリっぷりに思わずキュンキュンしてしまいます笑これからも執筆頑張って下さい✨ (2021年10月25日 0時) (レス) @page50 id: 4559ad2a7b (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - すごく面白いです!更新頑張ってください! (2021年9月30日 18時) (レス) @page2 id: cc011a7ffe (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 色々ありますよね、大丈夫ですよ! (2021年9月20日 0時) (レス) id: 19eff5b33e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:3度の飯より推しが好き | 作成日時:2021年9月18日 20時

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