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「四月」
大野百合子
街を歩くと
思ひ出したやうに
時々強い風が吹いて
三すぢも四すぢも
おくれ毛が亂れかかる
小さい池のそばを通ると
チヨロチヨロと氷の解ける音がする
なにか知ら胸がほぐれるやうな氣がして
大きく呼吸をすると
白い雲を浮かして空が�悗�
ふとすれ違つた
やさしさうな奥さんが
私にほゝゑんでくれた
遺稿詩集『雪はただ白く降りて』より
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作者名：詩学音丸 | 作者ホームページ：なし
作成日時：2018年9月19日 23時
