【小説】神様の依頼箱

犬系男子…遠神海人 ページ6

「ハーキ―！おーきーろーよー！」

俺の幼馴染、紅月葉紀の寝起きは最悪だ。
かれこれ三十分は彼の名前を呼んでいる。

「朝だぞー？ほまねーちゃんが起こしに来る前に起きないと朝ごはん納豆だぞ？」

納豆といえば、幼馴染の大っ嫌いな豆。
俺は好きだからいいんだけど。

「なっと……やだ」

「じゃあ起きて！ほまねーちゃんが来るぞ！」

それから十分。
時間をかけて起きるであろう幼馴染を無視して俺は彼の家を出た。

さて、ほまねーちゃんのところに行こう！


「ほまねーちゃん！」

そういうと、にこりと笑って振り向くほまねーちゃん。
こと恋樹誉。
俺の自慢の姉ちゃんだ。

「ハキね！納豆ご飯がいいって！」

勿論嘘なのだけど、ねーちゃんに告げる。

「そっか、嬉しいなぁ……葉紀ちゃんが苦手なものを克服……」

「だなっ！俺もそう思う！」

そして俺は卓に出された納豆を食べる。

後で降りてきたハキが絶望的な声を出したのは言うまでもない。

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