春の日日和…綴栞 ページ15
「ふぁ〜…」
小鳥の鳴く声と共に薄暗い部屋の中からあくびが聞こえてくる。そのあくびの聞こえる部屋は本で埋もれていて少し汚く見える。そんな本の山の一つからこの部屋の主、綴栞が這い出てくる。
「…眠い…夜更かしはやはりダメですね…」
そう呟く姿は少女どころか幼女寄りだが彼女は42歳。とっくに成人済み。彼女は散乱する本を少しまとめて積み上げる。その本の山だがよく見れば違うことに気づくだろう。その本のように見えるのは少女漫画と呼ばれるものだった。
『主〜、おはよう〜』
間の延びた明るい声に栞がそちらを向くと小柄な少年が楽しそうに本でタワーを作っていた。
「こら、本で遊んじゃダメ」
本を優しく取り上げて本棚へ戻していく。はーい、としょぼくれて返事をしている彼は栞の式神でもあり本の登場人物でもある。牛若丸、と言えば分かるだろうか。
『主に迷惑をかけるなと言っておるだろう?』
牛若丸をしかるのは白雪。同じく式神。雪のように白い肌と髪色の美しい女性だが本の中では妖怪の類いである。そんな彼女の戦闘能力は人並み以上である。白雪に怒られ反省する牛若丸を見て栞はクスリと笑う。そしてふと仕事のことを思い出す。
「今日は…非番でしたか…?」
時計を見て仕事が有るのなら余裕で遅刻の時間に少し顔色を青くするとしょうがないと心の中で局長へ謝りつつもサボる決心をしたのであった。
4月20日更新 ツバサ
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すとろべり-(プロフ) - 更新しました! (2018年6月4日 12時) (レス) id: c48c36fb49 (このIDを非表示/違反報告)
すとろべり-(プロフ) - 更新します! (2018年6月4日 10時) (レス) id: c48c36fb49 (このIDを非表示/違反報告)
雪抹茶(プロフ) - 更新しましたー! (2018年6月2日 19時) (レス) id: 9248342184 (このIDを非表示/違反報告)
雪抹茶(プロフ) - 更新しまーす (2018年6月2日 18時) (レス) id: 9248342184 (このIDを非表示/違反報告)
松宮カナメ - 更新しました (2018年5月21日 14時) (レス) id: eb873f1f0d (このIDを非表示/違反報告)
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