止められない恋心。 (ページ6)

今日:3 hit、昨日:6 hit、合計:19,902 hit

06 ページ6

2年前のあの日、あの夜。

まだ私も専門学生だった頃、ちょうど自粛期間中でバイトも無くて学校の授業もオンラインだった。

やることないって言ったらアレだけど本当になにもすることがない日々で、高校卒業と同時に実家を出てきたから家に家族もいないし⋯で食べて寝てを繰り返し、昼夜逆転した生活を送っていた時。

同級生でも仕事してる人はいたり、テレビをつけたら芸能人は働いてたり、私こんなことしてていいのかな、なんて。
就活は終わったけどこんな生活して4月から働けるのかなとか不安でどうにかなりそうだった。

まあそんなでもお腹は空くわけで、夜中2時くらいにアイス食べたいなってふと思い、財布と家の鍵とスマホを持って近くのコンビニに向かった。

コンビニに行く途中の公園にふと目を移せばベンチで街灯に照らされてる1人の男の子⋯⋯

あれ、これ見えていいやつ？平気なやつ？めちゃくちゃ怖いんですけど。なんてこんな夜中の公園に人影が見えたから公園から目を背けて小走りでコンビニに向かう。

外出るのもうめんどくさいから一気に買っちゃおうとカゴにアイスを8個入れてレジに持って行って会計を済ませ外に出る

.

⋯⋯まだいる。

誰もいない公園にいる男の子

多分年下か同い年くらい、顔ははっきり見えないけどスマホを片手にベンチに項垂れてさっきと変わらない体制で止まってる

もはや恐怖というより心配になって恐る恐る公園に足を入れるけど私の存在が見えてないかのようにまだ動かない

え、ほんとにこれ大丈夫なやつ？

ベンチに近寄ってもビクともしないから思い切って声をかける

「⋯⋯あの、大丈夫ですか？」

そうするとぱっと顔を上げてびっくりしてる男の子

⋯⋯いや、今にも泣きそうな、顔をしていた

「あ、えっと⋯⋯」

急にオドオドし始める彼は着ていたパーカーで目を擦って申し訳なさそうな顔をした。

「⋯⋯すみません、なんか具合悪いのかと思って、」

「⋯⋯」

じっと何かを言いたそうにして黙ってる彼

てか近くでよく見るとイケメン、というか目が大きくて顔が整ってる

たぶん年下じゃなくて絶対年下、これ未成年じゃない？大丈夫か？

「⋯⋯大丈夫、だと思います」

無理やり笑ってます、なんて顔に書いてあるくらい、頑張って表情を作った彼

.