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｢おい、聞いてる？｣
｢あ、ごめんぼーっとしてた。なに？｣
｢いや、別になんでもねけーど｣
なんだよって湧のほっぺをひっぱる
｢ちょ、やめろ｣｢やだーぷにぷにしてるよね湧って｣
｢おいそれ悪口だろ｣｢悪口じゃありませーん｣
｢…てかまじたまに距離感覚おかしいよねAって｣
と私の顔を見てくる
｢え？そうかな？自覚ない｣
｢ふーん、無自覚なんだ。あざといな｣
｢あざとくないですー、今日の湧おかしい｣
｢おかしくないですー｣
｢わ、真似した！うざ！｣
そうこう話してるうちに私のアパートに着いた。
ありがと、と言って家に入ろうとしたら再び腕を掴まれた。
｢ん？なに｣
｢……やっぱまだ飲み足りないんだけど。一緒に飲まない？｣
｢この時間から？明日一限だから帰ってきたんじゃん｣
｢いやそうだけどさ、なんていうか、気分？｣
｢むり、帰って寝て明日一限行くよ｣
｢……お願い、今日はまだ一緒にいたい。｣
驚いた。正直そんなこと言われたこともないし湧らしくないっていうか。
もしかしたら何かあったのかもしれない…
何か相談とかあるのかも……
なんとも言えない表情の彼に渋々折れて私の家に一緒に入る。
湧がこの家に入るのは初めてではない、何度もあるけど。
それは平塚くんと3人とか、同期の飲み会とかだけで。
こうやって2人で家にいるの、なんていうか………
｢まだこのウイスキーあんのかよ｣
私の冷蔵庫からこの前みんなで飲んだウイスキーを手に取る湧
｢みんなが置いていったんでしょ、私ひとりで飲めるわけないじゃん｣
｢あはは、そうだよな｣
氷と炭酸とウイスキーとグラスふたつをもってソファに2人で座り込む
静かな部屋の中に時計の針の音だけが鳴り響く。
｢…どーしたの？｣
｢え？｣
｢なんかあったんでしょ？｣
バレた？とグラスを傾けながら控えめに笑う
.
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作者名：ぴ | 作成日時：2022年5月8日 12時
