ヒロインになりたい。 (ページ17)

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アイスと夏と君（Kouki.K）ページ17

夜23時になる頃、アイスが食べたくて財布を持って外へ出た。

すっぴんでマスクをしてほぼパジャマ。
…こんな姿知り合いに見られたら終わりだけどどうしてもアイスが食べたくて近所のコンビニへ向かう

コンビニに入ると少しひんやりしてるアイスコーナーへ向かう。こんな夜中だから店内も仕事帰りであろうサラリーマン1人のみ。

あぶない…誰もいないうちに買って外でよう

新作のアイス、バニラ味の。その食べたかったやつを手に取ってレジに持って行って会計を済ませる。

コンビニから出ると蒸し暑い、暑すぎる。
セミの鳴き声も、もう夏かと錯覚させられる。

家に戻ろうと思ったけど、家に帰るまでに溶ける、と思った私は誰もいないと確認してコンビニ裏の駐車場のブロックに腰掛ける

こんな時間に、こんな場所で女ひとりで何してんだろ…と我ながら思うけど。

袋を開けてアイスを取り出すと買って間もないのに少し溶けてて、ここで食べるの正解かなって

携帯いじりながら友達のストーリーを見てたら後ろから「おねーさん？」と声をかけられた。

ナンパか……？こんな時間に辺りは私しかいないから、きっと私に向けて言ってるんだろうけど。

ここで反応したら負けだ、と思い無視してると

「聞こえてる？あ、聞こえてんじゃん」と顔をのぞき込まれてニコッと笑った男の子

…てっきりヤンキーとか、そっち系かと思ったら

目がくりくりしてる、可愛い男の子が立ってた。
一般的にイケメン、綺麗な顔立ち。

年齢は多分年下、いや絶対年下、下手したら高校生かも。

「ねえ聞こえてるなら無視しないでよ(笑)」

「あ、えっと、ごめんなさい」

「それ！」そう言って私の食べてるアイスを指さす彼

「…アイス？」

「それ新作のやつ、おいしい？」

俺それ気になってたんだよねーと言われる

「食べる？」

「え？」

あ、いつもの癖で。そんな変な意味じゃないけど、知らない女からそんな事言われてもただヤバいやつだと思われるか

いや目の前の彼の方がヤバいやつだ。

「食べたい、いいの？」

自分から言ってしまったことに断ることは出来なくて。

食べかけのアイスを彼の口に運ぶと満足そうに

「おいし」と微笑んだ。

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