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「最近まで彼女さんいたんだ」とありさが竜生の方を向く




え、1週間前?別れたの?あの可愛い、清楚な女の子と。



「なんかねー好きになれなかったんだよね」
「深田はな、忘れられない子いるもんなあ」
とニヤニヤしながらジョッキを一気に飲む元木くん






一気に背中が凍りつく。






忘れられない…子?




私より前に付き合ってた子かな?




なんだ、早く言ってよ。

元木くんが知ってるってことは地元の子かな。




私が付き合ってた時もその子が好きだったのかな、なんか。




なんか………泣きそうかも。







全部全部、嘘だったのかな。私が別れを切り出したのも悪いけど、私から言わなくてもこういう結末になってたのかな。




楽しかった日々も全部嘘?





竜生も竜生で、そんな子がいるならこんな場に参加しちゃだめでしょ


段々と目頭が熱くなってきて


涙が堪えられなくなりそうで。





「…ちょっと、御手洗いってくるね」



そう言ってみんなの前から離れる時





元木くんは内村くんに「湧マジで飲みすぎ」と叩かれてて
ありさは竜生になにか言いたそうな顔をしてた。

駆け足でトイレに入って鍵を閉めると我慢してたものが一気に溢れ出す






あー、好きだったのに。復縁なんて話どころじゃないじゃんね。





ほかに好きな人、作ろうかな。

元木くんも、内村くんもかっこいいしいい人だ。




前に進まないと一生このままだ。



どれくらいこのトイレにいたのか分からない、
涙を無理やり止めて、泣いたのがバレないように軽くティッシュで目を擦って、顔を叩いてみんながいる席に戻る。





「…ごめんねみんな」と席に戻ると





「…大丈夫?」と竜生だけがさっきの場所に座っていた







「え?大丈夫って、てかみんなは?」


「みんなは帰ったよ」





そりゃ、こんな戻ってこなかったら帰るか……今度みんなに謝ろう





それよりなんで泣いてたのって、心配そうな顔を向けられる






……なにそれ。





誰を思って泣いたのか、何を思って泣いたのか、


この男には分からないよね。






でも全部私のせいだ。自業自得







「…なんでもない、泣いてないし。お会計いくらだった?」



「…A」



「いくら?みんなに今度謝らないとな…」



「ねえ、」「じゃあ、私も帰るね」







鞄を持ってお札を適当に財布からとって竜生の顔を見ないで渡してお店から出ようとすると





「おい、待って」腕を掴まれた

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作者名: | 作成日時:2022年5月8日 12時

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