ヒロインになりたい。 (ページ12)

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「おねがい」と地元の友人に頭を下げられて渋々食事会という名の合コンに参加することに。

合コンとか苦手なんだよな…なんて思いながら歩いてると隣から笑い声が聞こえる

「あはは、Aは元彼くんしか見えてないもんね今も昔も」

「…図星で何も言えません」

「ほんとにバカだよね、とりあえず今日はニコニコ笑ってご飯食べてればいいから」

「…はーい」

竜生とは大学で知り合ったから地元の友人とは直接関わりないけどよく話を聞いてもらってたから存在は知っててこうやっていじってくる

「てか今日何メンツなの」

「私の大学の友達とそのツレだからほぼ知らない」

「えーなんか怖い」

「だいじょうぶ、イケメン揃えてもらってるから」

これでやっとAは元彼の呪縛から解かれるねーって言いながら肩を叩く友達

「まあ元はと言えば私から振ったんだけどね」

「それだけが一生理解できない。どんな顔が見て見たいくらい」

「あれ見せたこと無かったっけ？」

「話はよく聞いてたけど顔は見たことない」

そんな話をしてたらお店の前まで着いた

「んーじゃあ帰り見せるね、ほんとかっこいいから」

そう言うと笑いながら「そんなに好きならマジなんで振ったんだよ」って。

それは私が1番思ってるセリフ、これでも後悔してるから。

お店に入って予約者の名前を友達が言うと奥の個室に案内された。

「おーきた！こっち座って！」

そう友達に向かって話すイケメンと、隣で軽く会釈するニコニコしてる人、その隣に目線を向けると

「え」

「は」

「…うそ」

「なに、A知り合い？」

「え、えっと……」

「いや初めましてだよね？」

「あ、はい、初めまして」

…そっちがその気なら合わせてやる

「なんだ、じゃあとりあえず自己紹介しよっか」と仕切る友達の知り合いのイケメン

「俺はありさと大学が同じの元木っていいまーす」

よろしくね、と握手を求められる

「ちょ、A困ってるから！」

「あ、ごめんごめん、ありさから聞いてた通りかわいーね」

「え…ありがと？」

元木くん、絶対ムードメーカーって感じ。ありさと仲いいのがわかる気がする。

隣のニコニコしてる人は内村くんって言うらしい。

かわいい。

そんなことより、

「…はじめまして、深田です、よろしくね」

私の目をみてそう言ったこいつは

一体何考えてるんだ…………