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143話 ページ4

言った瞬間、間違えたな、と思った。

そして爆豪のやけに真剣になった顔を見て、さらにその後悔は強くなった。



「俺が嫌じゃねえっつったらどーすんだよ。」






やっぱな。
言葉選び間違えたわ。


こいつの言う通りだ。
そう言われたら私は困り果てるしかない。

だから今まで出来るだけ避けてきた話題だった。


前だって、他の人には噂を訂正しろだの文句を言っていたが、爆豪自身にそれを直接言うことはなかった。
そこには出来るだけ触れないようにしていた。


なぜなら、今回みたいにこういう質問をされた時、私は返す言葉がないから。
というか、まずこういう状況になることがないように。


なのに今回はつい勢いで口走ってしまった。
自分の浅はかさにうんざりする。




爆豪は依然、真面目な様子で私から目を逸らそうとしない。
ものすごく居心地が悪い。


早急にこの話題を流して、他の話題にすり替える事に全力を注ごう。
これ以上この話は広げたくない。
なんならこの場から逃げたい。


「質問返しですか、オカルト詐欺師か。てかもう昼休みの時間って、通りでお腹空くわけよ。あとは自分で満足するまで掃除しな、私は帰る。」


ちょっと返答までに間があったが仕方ない。

無理やり話変えた感は否めないけど、それなりにいつも通りの私の返しができたと思うし、良しとしよう。


「…チッ、悪かったな。好きにしろや。」


やはり不満なんだろう爆豪はかなり機嫌が悪くなった。でもって諦めたようにやっと私から目を逸らした。


ごめんね、でもそれ以上は何も聞きたくないし答えられない。
自分勝手だと怒ってくれても構わないから。



そのまま爆豪の部屋を出てA組寮の玄関へ向かう。

なぜか爆豪もついてきたけど。
お見送り?いらないよ、そんな和やかな雰囲気じゃなかったでしょうよ。


A組寮を出る際、めちゃくちゃ嫌だけど何も言わずに帰るわけにもいかないので、一応声をかける。
何もなかったように、いつも通りの私で。


「私の手助けに感謝したまえよ、じゃ。」


そう言ってドアに手を掛けると、爆豪が口を開いた。


「テメェは俺の言おうとしたことを分かった上で聞きたくねえみてーだから、今日のところは言わねぇでおいてやる。今日のところは、な。」


振り返ると、爆豪はさっきと同様に真剣な顔をしていた。そして最後に一言付け足した。


「次は覚悟しとけよ。」


いや、悪役か。

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まり - めちゃくちゃ面白いです…!一気読みしました。佐倉ちゃんの誕生日が自分と同じでテンション上がりました! (2021年6月24日 14時) (レス) id: 477cae400a (このIDを非表示/違反報告)
エルマー(プロフ) - ゆうさん» とても嬉しいです!応援ありがとうございます!頑張ります (2021年5月30日 16時) (レス) id: 340dba18fb (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - いつも楽しく拝見してます、、!続編嬉しいです!完結まで応援してます!!完結しても読み返します!! (2021年5月22日 11時) (レス) id: 1f46a5e721 (このIDを非表示/違反報告)
エルマー(プロフ) - ハルカさん» コメントありがとうございます。私の好きなタイプの子を書いてるつもりなのでそう言っていただけて嬉しいです! (2021年5月11日 12時) (レス) id: 340dba18fb (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - こーゆう性格の主人公めっちゃ好き (2021年5月8日 14時) (レス) id: 6f3fd88438 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エルマー | 作成日時:2021年2月11日 7時

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