166話 ページ27
「あれ、切島くんは？」
ふと、派閥が1人欠けていることに気づく。
「ああ、切島は今インターンで関西に行ってんだよ」
「関西」
いいなー、私も行きたい。
食べ歩きしたりとか、新喜劇観に行ったりとかしたい。
そんな私の心を読んだかのように佐伯が話かけてくる。
「いいよねー、関西。テーマパークとか温泉とか」
「思った、私も行きたい」
「おいおい、観光じゃねーんだぞ」
呑気な私たちに瀬呂くんが苦笑いでツッコむ。
「とか言って、もしかしたら切島くんもパトロール兼ねて観光とかしてんじゃないの」
「切島はああ見えて真面目だしそんなことしねーだろ！」
「たしかに、第一印象を裏切ることなくチャラついてる上鳴くんとは違って、観光地に目もくれずに見回ってそうだね」
「上鳴は目移りばっかしてパトロールに集中してなそうだもんなー」
「それで怒られてる姿が4Kくらい鮮明に浮かぶ」
「なんで誰にも悪いこと言ってないのに総攻撃！？」
「うっせぇアホ面！！俺より先の話すんじゃねぇ！！」
「なんで俺だけ！」
そこからも、懲りずにインターンの話を聞いたり、そのことで爆豪がブチギレたり、相変わらずのカオスだった。
そんな感じでそろそろ教室に戻ろうかという時、瀬呂くんがそういえば、と口を開いた。
「さっきから思ってたんだけど、佐倉なんか声変じゃね？」
「え、そうだった？俺は気づかなかったわ」
「ああ、Aいま声変わり中だから」
なぜか私より先に佐伯が答える。
また適当なこと言いやがって。
「え！？女子も声変わりすんの？つーか声高くなるの？低くなるの？」
「ゴスペルシンガーのような深みを増した声になるよ」
上鳴くんが本気にして興味を持ち始めたので、訂正すんのもめんどくさくなり、そのままいい加減なことを言って流す。
「まじか！超楽しみだわ！」
「いや、そんな訳ないだろ」
「アホかてめーは」
「もうちょっと常識的に考えよう」
「突拍子もない話をここまで信じられるとちょっと引くわ」
「また袋叩きにされてんだけど！！なんか今日みんな俺に厳しくねえ！？」
攻められまくって半泣きで騒ぐ上鳴くん。
今日はフォローの切島くんが不在だからね。
どんまい。
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まり - めちゃくちゃ面白いです…！一気読みしました。佐倉ちゃんの誕生日が自分と同じでテンション上がりました！ (2021年6月24日 14時) (
レス) id: 477cae400a (このIDを非表示/違反報告)
エルマー(プロフ) - ゆうさん» とても嬉しいです！応援ありがとうございます！頑張ります (2021年5月30日 16時) (レス) id: 340dba18fb (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - いつも楽しく拝見してます、、！続編嬉しいです！完結まで応援してます！！完結しても読み返します！！ (2021年5月22日 11時) (レス) id: 1f46a5e721 (このIDを非表示/違反報告)
エルマー(プロフ) - ハルカさん» コメントありがとうございます。私の好きなタイプの子を書いてるつもりなのでそう言っていただけて嬉しいです！ (2021年5月11日 12時) (レス) id: 340dba18fb (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - こーゆう性格の主人公めっちゃ好き (2021年5月8日 14時) (レス) id: 6f3fd88438 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エルマー | 作成日時：2021年2月11日 7時
