162話 ページ23
「ところで、なんで轟くんはそんなにボロボロなの？制服着てるし。他校にカチコミにでも行ったの？」
「いや違え。仮免の補習だ」
「ああ、なるほどね。お疲れさま」
こんなボコボコにされるなんて、一体どんなスパルタ講習なんだろう。
つーか轟くんと補習って言葉が全然相容れなくて笑う。
ん？待てよ。
仮免補習って仮免試験落ちた人が受けるやつだよな。
私の知る限り仮免に落ちた人は轟くん以外に、もう1人いる。
嫌な予感がして、恐る恐る口を開く。
「…もしかして爆豪も受けてる？」
「？ああ。一緒に受けた。もうすぐ来ると思うぞ」
「馬鹿野郎！！それを早く言えよ！！」
まずい。
こんな所でタラタラ話している場合ではなかった。直ちに帰らねば。
今は絶対会いたくない。
気まず過ぎる。
突然怒り始めた私に驚いた様子の轟くんが、なにがなにやらって顔しながら口を開く。
「なんかまずかったのか？わりぃ」
「いやごめん、轟くんはなにも悪くないんだけど、ちょっとこっちの事情で荒ぶってしまった。傘入れてくれてありがとう。ちょっと私急いで寮に戻らなきゃだから行くね」
早口で誤魔化して、そそくさとその場から退散しようとするが、引きとめられる。
「じゃあ送ってく」
「いや、すぐだし大丈夫だから。気にしないで」
無駄に気を遣ってくれる轟くんには申し訳ないけど本当に早くこの場から去りたいの。
一刻を争うから。
「でも傘ねえんだろ？」
「ここまでも傘無しだったし気にしないよ」
「そういうわけにもいかねーだろ」
やけに粘る轟くん。
もう送ってもらおうかな。
このままだと時間が経つ一方だし。
雨降ってて外に出てるクラスメイトなんてほぼいないだろうし、寮に来てもらっても見つかることはないか。
「うおっ！」
そう思ってると、いきなり後ろから腕を引っ張られた。そしてそのまま後ろに倒れこむ。
ことはなく、なんかにぶつかった。
まさかと思って振り返ると、予想通り爆豪。
轟くんと同じくボロボロで、傘をさしている。
現状、轟くんの傘から爆豪の傘へ引っ張り込まれた。
はいタイムオーバーだよ。
せっかく休日で会わなくて済むと思ったのに。
傘壊れるわ、びしょ濡れになるわ、爆豪に会うわ。
今日はとことんツイてないな。
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まり - めちゃくちゃ面白いです…！一気読みしました。佐倉ちゃんの誕生日が自分と同じでテンション上がりました！ (2021年6月24日 14時) (
レス) id: 477cae400a (このIDを非表示/違反報告)
エルマー(プロフ) - ゆうさん» とても嬉しいです！応援ありがとうございます！頑張ります (2021年5月30日 16時) (レス) id: 340dba18fb (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - いつも楽しく拝見してます、、！続編嬉しいです！完結まで応援してます！！完結しても読み返します！！ (2021年5月22日 11時) (レス) id: 1f46a5e721 (このIDを非表示/違反報告)
エルマー(プロフ) - ハルカさん» コメントありがとうございます。私の好きなタイプの子を書いてるつもりなのでそう言っていただけて嬉しいです！ (2021年5月11日 12時) (レス) id: 340dba18fb (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - こーゆう性格の主人公めっちゃ好き (2021年5月8日 14時) (レス) id: 6f3fd88438 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エルマー | 作成日時：2021年2月11日 7時
