出られない部屋 6 ページ6
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質問に戸惑いつつも真面目に考える。
真実を答えなければ出られない。つまり、ちょっとでも嘘をついたり誤魔化したりすると無効なのだろう。
もう一回やり直し、なんてことになる可能性もある。それは出来るだけ避けたい。何故なら私は今すぐイドンヒョクといるこの空間から逃げ出したくて堪らないからだ。
私の好きなタイプ。
パッと思い浮かんだのは、今推している漫画に出てくる主人公だ。
明るいムードメーカーで、ちょっと生意気で、努力家。あと笑顔が可愛い。自分の困難に立ち向かって、道を切り開いていく……。the 王道の「主人公」。
私は暗い人間なので、明るいタイプのキャラに惹かれてしまうのだ。
だが、現実では現在進行形で陽キャに怯えているので、好きなタイプと自分が関われるタイプはきっと一致しないのだろう。
気分は人口光に集まっては死んでしまう蛾である。悲しい。
「……明るくて、笑顔が魅力的な人が好きかな」
「……。Aさんってクールな人が好きなんだと思ってた」
驚いたように呟いたイドンヒョクに、私は首を傾げた。
「え……？」
私、そんなことクラスで言っただろうか。
いや、もしかするとイドンヒョクの偏見なのかもしれない。陰キャはどうせ同じような暗い奴が好き、みたいな。
「暗い」をオブラートに包んで「クール」にする、とんでもない高等テクニックである。私じゃなきゃ見逃しちゃうね。
イドンヒョクは私の疑問を察知したように口を開いた。
「だって、キムドヨンとなんかやけに仲いいじゃん」
「え？ あー……。別に、そんな仲良いってわけじゃ」
斜め上からの言葉に、思わず動揺してしまう。
そんなに距離が近いつもりはなかったのだが、案外分かりやすかったりしたのだろうか。それとも、イドンヒョクが鋭すぎるのだろうか。
彼との関係性を言っていいものか迷っていると、彼が容赦なく切り込んできた。
「どういう関係なの？」
どう言おうか。嘘をつくか、誤魔化そうか……。
そう考えていたが、この部屋が『真実を答えないと出られない部屋』だったのを思い出す。
正直、私とドヨンとの関係はあまり知られたくなかった。
特にイドンヒョクには。偏見だけど口軽そうだし。
「……別に言いふらしたりしないけど」
痺れを切らしたように、イドンヒョクが言う。
その目はいやに真剣で、私はこの男がなんで私とドヨンの関係をやけに知りたがるのか心底不思議に感じた。
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あき(プロフ) - めちゃくちゃ好きです！！！ありがとうございます！！！！！ (5月2日 13時) (
レス) @page13 id: 52a0eb3ad9 (このIDを非表示/違反報告)
やまぴ(プロフ) - 同人誌のノリ分かる夢主好きですｗｗボイプラも好きなので他作品も読みました！文体すごく好きです！更新楽しみにしてます！ (2023年4月17日 5時) (レス) @page4 id: b2d974e411 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ベロ子 | 作成日時：2022年12月23日 23時
