暇つぶし ページ11
朝ご飯の片付けも部屋の掃除も済ませた。
センラはセンラでしなければいけない事が
あるらしく､部屋に篭ってしまった為、
私は暇を持て余していた。
「暇だなぁ……」
ちょっと外に出てみようかな。
出るなとも言われていないし、大丈夫だろう。
履きなれていない下駄で神社の外に出た。
蒸し暑い気温、蝉の鳴く声が聞こえた。
「ねぇねぇ、お姉ちゃん。」
突然服の袖を引っ張られた事に驚く。
見れば小柄な浴衣を身につけた女の子が立っていた。
「え、私？」
「うん。お姉ちゃんってさ、そこの神様への
イケニエなんでしょ？」
その言葉を聞いて､私は俯いた。
センラが私の事を気に入っているのだとしても「食べられてしまう」というその事実は変わらない事を改めて意識させられたからだ。
「お姉ちゃん､私と遊ぼう？こっち着いてきて！」
返事をする暇もなく、腕を引かれて走り出した。
振りほどこうとしても、腕を握る力は強くて
そう簡単には振り解けそうもなかった。
どんどん遠くなっていく神社を横目に
私は焦りを感じていた。
「ねぇ、村の子ならこっちに来たら危ないよ？そろそろ帰ろう？」
そう声をかけても返事が無い。
「ちょっと、離して！」
無理やり振りほどこうとした時、
女の子が急に立ち止まってにやりと笑った。
「お姉さん、馬鹿だねぇ。あの狐が食べる前に私に食べられちゃうんだもん。」
振り向いたその顔は酷く恐ろしく醜かった。
「どうせ食べられちゃうんでしょ、ならセ…
お狐様に伝えてもらえる？短い間だったけどお世話になりましたって。」
「へぇー、珍しく肝の座った人間だね〜
まぁそれはいいや､伝えれば食べてもいいんだもんね？」
ゆっくりと近づいてくるその姿を見て
もうダメなのだなと思い､私は目を瞑った。
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来夏_raika(プロフ) - 心愛さん» コメントありがとうございます！更新頻度はかなりゆっくりめですが楽しんで頂ければ幸いです〜！これからもこの作品をどうぞ宜しくお願い致します；； (2018年12月5日 21時) (
レス) id: 4db2d60ea2 (このIDを非表示/違反報告)
心愛 - 更新楽しみに待ってます！ (2018年12月4日 21時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：raika | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/seyu/
作成日時：2018年8月26日 23時
