頼れる先輩は。【センラ】

先輩。-28- ページ29

私はいつの間にか坂田先輩の腕の中で泣いていた。



これで二回目。



坂「うん。俺もAのこと助けたかった。
もっと頼って欲しかったよ。そんなに俺頼りなかった？」



そんなことない。
今だって私は坂田先輩を頼っている。



私は首を振る。



『ごめんなさい...ごめんなさい...』



自分自身に対するいじめはなくなったが、坂田先輩と話せなくなったのはいじめられてるよりも辛かった。



坂「もう大丈夫やから。そんな謝らないで。
俺は今こうやってAとちゃんと話せる方が嬉しいから。」



え。



坂「確かに高校ん時はギクシャクしてたけど、今ちゃんとお互いのこと伝えあったからそっちの方が断然いいやろ？」



『はい...』



私もちゃんと坂田先輩に気持ちを伝えられたと思う。



坂「やろ？だから、俺はAにまた会えて嬉しかったで。」



『私も、嬉しかったです。』



坂「そっか、じゃあこれからはまたいつも通り話そうな。」



そういって坂田先輩は手を差し伸べてきた。



『はいっ...！』



私は坂田先輩の手を握った。



また坂田先輩と話せる...
よかった。本当に...



私たちは気が付かなかった。



話を聞いてたのがもう一人いたことに。

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