*センセイ15 ページ17
*
「......」
Aが寝静まった静かな部屋に、パソコンのカタカタという音だけが響く。
ふと時計をみると0時を回っていて、俺は一息ついてパソコンを閉じた。その場で伸びを立ち上がり、ソファで気持ちよさそうに眠るAに近づくと、すぅすぅと一定の寝息が聞こえた。
「仕方ないとはいえ、無防備だなァお前はよォ」
いくら生徒と教師とはいえ男と女、なにかがきっかけで間違いが起きることだって有り得るというのに此奴は危機感など全く感じることなく、すやすやと眠りについている。
さっきだって危なかったのだ。
「風呂上がりに恥ずかしげもなくうろうろしやがって」
無自覚なのか、風呂上がりの面を隠すことなく俺の前をちょこまかしていた此奴。自分の貸した服をだぼっと着て髪濡らしたまま目の前を歩かれてみろ、こちらとしてはたまったもんじゃない。
俺は眠ったままのAをひょいっと抱き上げ寝室のベッドにゆっくり寝かせた。
「ったく、ちったァ俺の気持ちも考えやがれェ」
頭を撫でてやれば、寝ぼけているのかにへらと笑うA。
「っ、」
たまらなくなった俺は指通りの良い髪を掬い、そっと口付けた。本来ならば、こんな事さえ許されない。
「俺が我慢出来るうちに、早く誰かとくっついてくれェ」
俺はベッドから離れ、寝室を出た。
__......お前に対する俺の気持ちは、ずっと前から変わらねェ。
その気持ちは、生徒と教師である以上決して口にしてはならない感情だった。
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あや - 私はさねみん推しで、今学校の数学の先生に恋をしています。なので、このお話を読んでいて、すごく楽しかったです! (2021年9月5日 12時) (レス) id: 676a376a05 (このIDを非表示/違反報告)
鈴神(プロフ) - 由瑞さん» ありがとうございます!もう少しお付き合いください〜 (2020年3月26日 9時) (レス) id: 1945be474a (このIDを非表示/違反報告)
由瑞 - 凄く面白かったです。続き楽しみにしています! (2020年3月26日 0時) (レス) id: 8d4739ba12 (このIDを非表示/違反報告)
鈴神(プロフ) - 殿茶さん» えっ、あの、ありがとうございます、小説連載されてますよね?私ずっと読ませて頂いてました!まさかコメント頂けるなんて、、嬉しい限りです。私も楽しみにしているので頑張ってください! (2020年3月15日 17時) (レス) id: c927656a5e (このIDを非表示/違反報告)
殿茶(プロフ) - これからの展開に期待!更新頑張ってください! (2020年3月15日 11時) (レス) id: ab2f0dbeb4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴神 | 作成日時:2020年3月10日 10時