先生、私の気持ち気づいてよ…【名前変換オリジナル】

18話 叩く音 ページ20

「こんちはー」


ガララッと音を立て、教室に入ってきたのは教科書を手に持った蓮さん

ドキッと高鳴る胸が鳴り、自然と熱が上がってきた

黒いスーツでシャキッとしてて、やっぱり何時見ても格好いい

ふと隣を見てみると夏希ちゃんの目がトロンとしている

…彼女も彼女なりに本気なんだろう

そう思った途端＿＿＿＿＿＿＿


「先生っ…すいません、教科書忘れてきちゃったので明日必ず持ってきます…」

「すいません、僕もです…」


男子二人組が初日から数学の教科書を忘れてきたのか、蓮さんに向かって謝罪をしてきた

彼ら二人は申し訳なさそうな表情で謝っている


「…分かりました」


何の1つも表情を変えずに答えてくれる蓮さん

…その顔の裏は怒っているようにも見えるような。


「…では授業始まる前に、教科書忘れた二人は廊下出て」


しん、と一瞬静まり返った

普段のトーンと変わらない声で言う蓮さんに少し鳥肌が立つ

先生と男子二人組が出た後、再びざわつく教室。


「え、ちょ、何かヤバい空気じゃない？」

「う、うん…」


流石に夏希ちゃんでさえも、少し驚いている様子

そりゃ私も内心は結構ビビってる。

もしかして蓮さん、提出物とかに厳しかったりして…？

その途端。



パンッッ＿＿＿＿！！

パンッッ＿＿＿＿＿！！



何か手で叩いたような音が廊下から聞こえてきた

…それも二発。

ざわついた教室も静まり、それに驚いたのか皆黙り込んで廊下側を見ている

え、何？一体何が起きて＿＿＿＿＿

そう思った瞬間、少し怒り気味の表情の蓮さんと、

顔を真っ赤にして頬を押さえている男子二人組が教室に入ってきた


「ほら、手が真っ赤なんですけど。どうしてくれんの？」


完全にキレてる蓮さん

その場にいる全員が凍りつく。

数学を楽しみにしていた夏希ちゃんの姿は何処にいったのか、体が固まっている

…もしかしてビンタ…？


*


それからと言うものの、後は通常通りに授業が進んでいった

授業中はあの事があったせいか皆一言も喋らず、黙って受けていた

…それにしても、最初の音何だったんだろ？やっぱりビンタしたとしか思えない…


「んじゃ号令ー」


…あのニコニコした表情からビンタしたなんて想像出来ない

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