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#2 ページ11

あんずside

「え、先輩って演劇科に弟がいるの?」


昼休みに、Tricksterの皆とご飯を食べていると真くんが教えてくれた。
先輩はプロデュース科に来る前、どうやら演劇科にいたようだった。
だから、演技の指導もできたんだ。




「ちょっと、弟さんに会いに行こうかな」




「俺たちも行くか」





北斗くんはそう言ってくれるけどアイドル科が来たとなれば大騒ぎ。
心細いが一人で行こう。




「あの、あんず先輩……」




いつ行こうか悩んでいるときにふと聞こえた声。
女の子の声って言う事は杏奈ちゃん。どうしたんだろう




「あの、私もついていってもいいでしょうか……。今までのお詫びでは足りないかもしれないけど……」




あの事件以来、杏奈ちゃんは心を入れ替えたようでしっかりとしたいい子ちゃんに戻りつつあった。
それでもやっぱり信頼は低いため、この話を聞いたTricksterの皆は顔をしかめている。



「ありがとう。じゃあ、今日の放課後に行こうか」



私はその顔に気づかないふりをする。



先輩を助けるためなら手段は択ばないよ。


☆〜☆〜☆〜

「演劇科、遠いね」


放課後、杏奈ちゃんと集合して演劇科まで。
佐賀美先生から資料を預かって。


「失礼します。藤堂俊さんに用事がありまして」



職員室に行くと資料を渡し用件を伝える
演劇科の先生は愛想よく俊さんのところへ連れて行ってくれた


「おい、藤堂プロデュース科の人が来てる」



「はい。今行きまーす」



声がよくとおる。
顔を見るとどこか澪先輩の面影があった。


「あの、初めまして。一ノ瀬あんずです。で、こっちが藤巻杏奈ちゃん」


「あ、どうも。藤堂俊です。で、なんでプロデュース科の人が?」



私は今まであったことを話し、何か手掛かりになるものはないか聞いた。



「あ〜……あの人この学科にはあんまりいなかったんですよ。常に転々としてて、音楽、声楽、普通って行ったけど何故かどこも上手くいかなかったみたいで。家にも全然帰ってこないので親も何も言わないし」



そう言えば先輩って自分ことをあまり話さなかった。
なんかあるのかな…



「で、姉さんは審神者になってそのまま…ってことなんですか?」



「まぁ、そんな感じだけど審神者になることも知らなかったの?」



「はい。姉さんは家族があまり好きじゃないみたいで。」




なんか、事件が解決するどころかどんどん違う方向に行ってる……

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作者名:ナハト | 作成日時:2018年8月30日 16時

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