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52. ページ10

Aside




ガタン、ゴトン。

いつもはほんの少し気になる電車の音にこれっぽっちも影響を受けないほど、私の脳内は大変なことになっていた。

思わずオッケーしてしまったデートのお誘い。

そもそも勝手にデートなんて呼んでいいのかな。折原さんからしたらそんなつもりじゃないかもしれないよね……。

で、でも、二人きりで遊びに行こうだなんて、デートに違いないよね?

ダメだそういう経験が無さすぎてわからない。

折原さんは過去に彼女さんもいたらしいし、二人で遊ぶくらいなんてことないのかな。

こんなに舞い上がっちゃってるのも、私だけなのかな。


っていうかなんで舞い上がってるんだ〜っ。

蓋をしようって決めたばっかなのに。

でも、好きな人に二人きりで遊ぶお誘いを受けたら嬉しくなっちゃうよね、舞い上がっちゃうよね。

……もしかして脈あるのかなって思っちゃうよね。


「さすがに自意識過剰過ぎ、かな」


《××ー、××ー》


零れた声は電車のアナウンスに溶けていった。

電車を降りていく人に続いて私もホームへ足をつく。


「うぇっ!?」


時計を見て思わず変な声が出てしまい、慌てて両手で覆う。

嘘、1時間も早くついてる……。

楽しみにし過ぎでしょ、どんだけわくわくしてるの。


とりあえずホームでウロウロしていても仕方がないので、折原さんとの待ち合わせの場所へ歩いていく。

今日はいつもの赤じゃなくて、白いワンピースを着てきた。

本当は黄色にしようかなって思っていたんだけど、持ってなかったんだよね……。

多分一番最初にお買い物に行くから、その時何か黄色いお洋服を買おう。カーディガンしか持ってないもん。

今つけている赤いリボンも、黄色に変えれたら、嬉しいかも。

んー、でも、坂田さんの色も身につけていたいし、髪ゴムくらいは赤くていいか!

私は折原さんがセンラさんって気がついていないわけだし、あまりにも黄色くしたら怪しまれてしまいそう。

そんなことを考えながら、軽い足取りで待ち合わせの場所へ向かう。

もう少しあとから来たら良かったのだろうか。

これはきっと、浮かれ過ぎていた私への罰。

これ以上折原さんに惹かれないって決めてたのに、デートしようとしてる私への戒め。

折原、さん。



「そっか、センラくんも楽しくやってるんだね」


「先輩も幸せそうでよかった」


「ふふ、幸せそうに見える?」


「うん、とっても」



その女の人、誰ですか……?

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設定タグ:歌い手 , 浦島坂田船 , センラ   
作品ジャンル:恋愛
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- これからも頑張ってください!長文失礼しました。(続きです。初めてこんなにコメント書きました(笑)) (2022年3月2日 17時) (レス) id: 7b474202c0 (このIDを非表示/違反報告)
- 日替わりのほうで予告を見て読ませていただきました!語彙力ないのでうまく伝えられるかわかりませんが一つ一つのお話がしっかりしていて話の展開も全然急じゃないのに飽きなくてすっごくいい作品でした!個人的には番外編の志麻さんが出てくるお話が好きです(笑) (2022年3月2日 17時) (レス) @page44 id: 7b474202c0 (このIDを非表示/違反報告)
坂ちゃん(プロフ) - やばい。すげぇ似てる。私、恋人いるんですけど、坂田家なんです。その上恋人の好きな色は黄色... (2018年12月24日 11時) (レス) id: 2e3d2564c8 (このIDを非表示/違反報告)
せらてゃ - 全て読ませて頂きました!!小説読んでて初めて笑いましたwwおもしろいとこがたくさんあって笑っちゃいましたwもうかわいかったです!!これからも頑張ってください(><) (2018年11月25日 1時) (レス) id: 838c277702 (このIDを非表示/違反報告)
ほわいとふぃっしゅ(プロフ) - つぼみさん» そのように言っていただけて本当に嬉しいです……。少し先になってしまうのですが、坂田さんの短編を書かせて頂きたいなとは思っているので、気長にお待ちください!! (2018年10月29日 18時) (レス) id: b3ad7ee62f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほわいとふぃっしゅ | 作成日時:2018年9月8日 22時

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