【歌い手】坂田家だから、上から黄色く塗らないで【センラ】

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センラside




「Aって、普段の休み何してるん？」


今日もいつも通り、二人で一緒に昼食をとっている。

特に話したいこともなかったのでそろそろAのプライベートなことも知りたいと思い、少し勇気を出して聞いてみた。

こんなことですら勇気必要とか俺ヘタレすぎひんか。


正直昨日のAはいつもより素っ気なくて、なにかしてしまったんじゃなかと不安に感じていたけれど、今日はいつもの明るい表情を見せてくれたのでそんな不安は吹き飛んだ。

ほんと、色々余計なことも含めて心配してたんやからね。

Aはそんなこと、これっぽっちも知らんのやろうけど。

Aが元気ないと、俺も元気なくなるし……いつも元気でいてほしいわ。


「休みの日……ですか？」


丁寧に魚の骨を取り除いていた右手を止め、Aは「んー」と悩むような素振りをみせた。

なんかちょっとあひる口みたいに唇とんがらせてるんやけど、なにこれ。めっちゃ可愛い。


「友達が働いているカフェに行くことが多いですね。そこでお話したり、本を読んだり」


「オシャレやな……」


「たまにお菓子作ったりもしてます」と付け加えたAを見て、彼女がエプロンをつけてお菓子作りをしているところを想像してしまった。

ん"、可愛い。この破壊力はやばいからぜひ１度自分の目で見てみたいもんやわ。


「折原さんは何してるんですか？」


「俺は家でゴロゴロしてることが多いかなぁ。部屋片付けたりもする」


「おおお、いいですね」


「さっきのは、前置きでさ」


サラダを口に運んでいた手の動きを止め、Aの目を見てそう言った。

さっきの質問ですら少し勇気が必要だったというのに、今度はさらに勇気が必要なことを聞く。

右手を少しだけ強く握りしめて、こう言った。


「今度の休み………暇やったら、一緒に遊びに行かへん？」

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