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そう思いながらも口には出さない。



「はーい。先生バイバイ」



「じゃーな、Aちゃん」



その声を背中に聞きながら階段をおりて下駄箱に向かった。



教室では“藍沢”、ふたりのときは“A”とか“Aちゃん”



私は、なんで“A”って呼んでほしいなんて思ってるのかな……?



クツを履きかえて、歩き始める。




「Aちゃん、一緒に帰らない?」


誰……? と振り返るも誰もいなくて、前に向き直ったときだった。



「かかかっ、彼方くんっ!?」



な、なんで彼方くんがここに!?



「Aちゃんビックリしすぎだよ。

 よかったら一緒に帰らない?」



え?私と彼方くんが一緒に……?



前は緊張で逃げちゃったけど今回は逃げたらダメだよね……?



それに、私も彼方くん一緒にと帰りたい……。



「私でよかったら!」



気づいた時にはそう返事をしていた。

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作者名: x他1人 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2019年9月15日 16時

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