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「まふ…」


彼女が後ろを振り返ると、その男の人は煙草を口に銜えながら
冷たい目で彼女を睨み、見据える。


整った輪郭。

くっきりした二重の目。

綺麗な鼻筋。

傷んだ事の無いような黒髪。


体は細いのに、良い筋肉の付き方。









って。



何で上半身裸な訳っ!?

男の人は、黒のジーンズだけしか履いてなくて
上半身にはお風呂上りのためか、首にタオルをかけていた。


あなたも?
あなたもこの女の人と同じように、上着着るの忘れちゃったの!!?


勘弁してよ…。

二人揃って露出度高いからっ!!


上半身の裸に気付かなかったのは、たぶん横に居る彼女があまりにも露出度が
高かったからだと思う。


どうやら、
感覚麻痺したらしい…。


「ねぇ、女性の客だからって見境なく喧嘩売らないでって言ったじゃん…。
俺の部屋に来た人は、全員僕の女なの?」


彼は、大きな溜め息を吐いた。


ていうか、この部屋の持ち主って男の人だったんだ…。


「…だって。」


「だっても何もない。
 ここは僕の部屋だから。」



彼は彼女を冷たくあしらうと、再び溜め息を吐いた。


あんなに威勢よく突っ掛かってきたのに、
彼の一言でシュンと静かになった。






「・・・・・」


ていうか、
どうでもいいんだけど…
訪ねてきたお客さんの前で、修羅場になるの止めてほしい。


そんな事は、私が出てってからやりなさいよ!!

私全然悪くないのに明らかに、場違いじゃん!!


そんな事を心の中で愚痴っていると、
不意に彼がこちらを向いて口を開いた。


「・・・・・」

今の修羅場を間近で見ていた私は、思わず身構える。



でも彼はさっきの表情と違って、
すごく優しい笑みを見せた。

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作者名: x他1人 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2019年9月8日 19時

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