【アカギ】神出鬼没の。

愚痴 ページ6

なんとか3時。
１時間の遅刻も、店長は笑って許してくれた。


「ハァ〜〜〜〜……」

「どうしたんだよAさん…

遅刻にため息なんて珍しいな」


優しく語りかけてくれたのは、
バイト仲間のカイジさん。


「う…カイジさん…！！

私、迷子になっちゃって…！！それで…」

あわあわと忙しく話す私を、カイジさんがまた優しく諭す。

「ハハ…いいから、ゆっくり話しなよ、Aさん」


ことのいきさつを全て話すと、カイジさんは少し怪訝そうな顔をし、

「白髪の麻雀打ち……何度か聞いたことがあるぞ」

カイジさん自身も多少は麻雀を嗜むらしく、
似た風貌の雀士の噂は聞いたことがあると言う。

「20歳そこそこのチンピラ…なんでも賭け麻雀で生計を立ててるとか

オレも詳しくは知らないが、とてつもない雀鬼だとか……」


その話を聞く限り、かなりの確率で彼に当てはまる。
『…金のアテなら腐るほどある…』
そういう意味だったのかと思い出す。

辻褄が合い始め、私がさらに深く聞こうとすると

「…ただ、アカギには関わらない方がいい」

「アカギ」と言う名。
直感が彼だと言っている。


「アカギ…さん」

『なんでもっとスカッと生きねえのかな…

まるで囚人…』

そんな言葉を思い出しながら、何故かその名前を呟いた。

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